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2006 年度 実績報告書

サル海馬体におけるシナプス可塑的変化の特性と記憶相関

研究課題

研究課題/領域番号 18019014
研究機関富山大学

研究代表者

田村 了以  富山大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (60227296)

キーワードサル / 霊長類 / 海馬体 / 可塑性 / 誘発電位 / 記憶固定 / 長期増強 / 長期抑圧
研究概要

近年われわれは,サル海馬体で誘発電位記録を行うin vivo実験系を開発し,高頻度反復刺激により長期増強現象(LTP)が霊長類海馬体でも起こることを明らかにした.本年度はこの実験系を用い,以下の研究を行ってきた.
1.LTP維持期間の動物種差の検討.被検動物としてサルを2頭,ラットを5匹用い,まず高頻度刺激により海馬体にLTPを誘導した.その後,LTPの維持を観察するため,サルでは1ヶ月間,ラットでは1週間,誘発電位記録を継続した.その結果,LTPは,サルでは長期間(1ヶ月以上)持続するが,ラットでは比較的速やかに(1週間以内に)減衰することが明らかとなり,海馬体が記憶固定に役割を果たす期間の動物種差(霊長類では長く,げっ歯類では短いという事実)との関連性が示唆された.
2.LTP誘導に伴うニューロン発火の同期性の検討.1頭のサルの海馬体からニューロン活動を記録し,LTP誘導前後でニューロン活動の同期性を比較・解析している.現時点では,記録したニューロン数が統計解析を行う上でまだ十分に多くないが,LTP誘導により同期性の高まる傾向は見られない.
3.LTP誘導と興奮性アミノ酸受容体との関連.本年度はサルを1頭用い,海馬体LTP誘導に対するMK-801(興奮性アミノ酸受容体であるNMDA受容体の拮抗薬)投与の影響を解析することを予定していたが,上記1および2にかなりの時間を要したため,現在LTP誘導のための動物作製段階にある.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Spatial firing properties of lateral septal neurons.2006

    • 著者名/発表者名
      Takamura, Y., Tamura, R., Zhou, T.L., Kobayashi, T., Tran, A.H., Eifuku, S., Ono, T.
    • 雑誌名

      Hippocampus 16

      ページ: 635-644

  • [雑誌論文] Neuronal responses to a delayed-response delayed-reward go/nogo task in the monkey posterior insular cortex.2006

    • 著者名/発表者名
      Asahi, T., Uwano, T., Eifuku, S., Tamura, R., Endo, S., Ono, T., Nishijo, H.
    • 雑誌名

      Neuroscience 143

      ページ: 627-639

  • [雑誌論文] Neural correlates of stimulus-reward association in the rat mediodorsal thalamus.2006

    • 著者名/発表者名
      Kawagoe, T., Tamura, R., Uwano, T., Asahi, T., Nishijo, H., Eifuku, S., Ono, T.
    • 雑誌名

      NeuroReport (in press)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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