研究課題/領域番号 |
18020010
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鎌田 恭輔 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (80372374)
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研究分担者 |
増谷 佳孝 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (20345193)
竹内 文也 北海道大学, 医学部, 准教授 (30281835)
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キーワード | 機能MRI / 脳皮質電位 / 言語 / 脳磁図 / 軸策画像 |
研究概要 |
【目的】脳磁図(MEG),機能MRI(fMRI)をはじめとする脳機能画像の飛躍的な進歩により、言語優位半球の同定が可能になった。しかし、機能画像の活動領域局在に関する検証は十分に行われていない。本検討では言語課題による機能画像と、慢性硬膜下電極による誘発皮質電位(ECoG)による脳機能マッピングとの比較・検討を行った。【方法】難治性てんかん患者26症例にてんかん焦点同定のために慢性硬膜下電極を留置した。全例Wada testにより言語優位半球を同定した。そのなかで言語機能が左、または右に強く偏位し、かつWAIS-Rによる平均IQが90以上の8症例ついて解析した。文字読み、記憶、語想起、P300課題をおこない、認知ECoG取得した。ECoGは加算平均解析を行った。【結果】機能MRIでは、主に片側の中、または下前頭回周辺に活動を認めた。脳磁図では優位半球側内紡錘回と、上側頭回後部にダイポールの集積を認めた。文字読み課題による加算ECoGは、全例で紡錘回後部に200-300msecの潜時で急峻な電位変化をみとめた。次に優位半球上下-中前頭回に300-400msecに活動、それに引き続いて上側頭回〜縁上回に400msec以降の遅い認知反応(77%)を検出した。刺激後600msec以降に再び前頭葉と側頭葉は同時に有意な電位変化を認めた。これらの活動部位を皮質電気刺激することにより言語関連機能障害を誘発した。電気刺激とECoG変化によるマッピングの結果が高く一致していた。一方語想起fMRIでは、これらのマッピング結果よりも広く前頭葉に活動を認めた。文字読みMEGでは側頭葉底部、上側頭回後部に活動を認め、電気刺激とECoG変化によるマッピング結果とほぼ一致していた。今後は前頭葉、側頭葉内の活動部位の詳細な検討と、ECoG活動を構成している周波数成分の解析を行っていく予定である。
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