研究課題/領域番号 |
18020014
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
福山 秀直 京都大学, 医学研究科, 教授 (90181297)
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研究分担者 |
長峯 隆 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10231490)
池田 昭夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (90212761)
三國 信啓 京都大学, 医学研究科, 助手 (60314217)
松本 理器 京都大学, 医学研究科, 助手 (00378754)
澤本 伸克 京都大学, 医学研究科, 助手 (90397547)
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キーワード | 言語 / 皮質間ネットワーク / 硬膜下電極 / 皮質誘発電位 / 拡散強調画像 / tractorahy / 側頭葉底面言語野 / ウェルニッケ野 |
研究概要 |
【背景】ヒトの言語機能に関わる側頭・頭頂葉内の皮質問ネットワークを、機能と構造の両面からin vivoで解明することを試みた。術前評価のために留置した硬膜下電極から単発電気刺激を与えて皮質誘発電位(cortico-cortical evoked potential ; CCEP)を記録し、皮質問の機能的な結合を調べた。一方、MRI拡散強調画像にprobabilistic diffusion tractographyを適用して、脳領域間の構造的な結合を推定した。【方法】言語優位半球の側頭・頭頂葉外側及び側頭葉底面に硬膜下電極を留置した難治性側頭葉てんかん3症例を対象とした。術前評価の一環として、言語機能に関わる領域を同定した。同定した領域に単発電気刺激を与えてCCEPを記録し、側頭・頭頂葉内の機能的な結合を調べた。1症例では、拡散強調画像も撮像した。言語機能に関わる領域の皮質に関心領域を設定して、構造的な結合をtractographyで推定した。【結果】側頭葉底面(下側頭回・紡錘回)は、全例で物品呼称と漢字・仮名読みに関わっていた。この部位の単発電気刺激では、全例で隣接皮質とウェルニッケ野後方に位置する側頭葉・下頭頂葉の境界領域にCCEPが記録された。側頭葉底面と下頭頂葉の言語関連領域に関心領域を設定してtractographyを行うと、下側頭回・下頭頂葉間の構造的な結合が推定された。また、ウェルニッケ野を単発電気刺激すると、全例で隣接する前下方の側頭葉外側からCCEPが記録された。ウェルニッケ野に加えた単発刺激の刺激部位を関心領域とするtractographyでは、CCEPの分布に相当する隣接領域に強い結合が示唆された。【結論】言語機能に関わる大脳皮質領域間ネットワークを、CCEPとtractographyを用いて探索した。側頭葉底面言語野とウェルニッケ野では、皮質問結合様式が異なっていた。側頭葉底面とウェルニッケ野後方の側頭・頭頂葉領域はともに語彙処理に関係することから、両者間の結合は語彙処理ネットワークに関わる可能性がある。
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