研究課題/領域番号 |
18020024
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉村 恵 九州大学, 大学院医学研究院, 教授 (10140641)
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研究分担者 |
古江 秀昌 九州大学, 大学院医学研究院, 助手 (20304884)
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キーワード | 体性感覚野 / 同期性入力 / EPSC / IPSC / in vivoパッチ / bursting / 感覚情報処理 / GABA |
研究概要 |
ラットおよびカニクイサルを用いて大脳皮質体性感覚野からのin vivoパッチクランプ記録の確立を目的とした。現在、ラット体性感覚野細胞における周期的なburstingを対象に研究を進めると共に、麻酔下のカニクイサルを用いた体性感覚野からの記録を目指している。サルを用いた研究では体性感覚野に相当する頭蓋に記録用チェンバーをスクリューと歯科用セメント用いて固定し、頭部固定用のOリングを10本のスクリューを用いて頭部に固定を行った。モンキーチェアに少なくとも3時間以上静かに座すことを訓練すると共に、麻酔下に硬膜を切開し、マニピュレータを用いて記録用のパッチ電極を刺入し、深層の錐体細胞を対象に記録を行った。現在までのところギガオームシールを形成し、細胞外記録による活動電位は観察出来るもののホールセルパッチクランプにすることは出来ていない。一方、ラットを用いたin vivoパッチクランプ記録は既に確立出来ており、殆ど全ての細胞に観察される周期的なburstingの解析を行っている。興奮性のburstingの頻度は膜電位非依存性で、かつCNQXで抑制されることからオリジンはextrinsicであると考えられる。Burstingには興奮性と抑制性が存在し、抑制性は常に興奮性から数10ms遅れて出現する。抑制性のburstingは興奮性のものと比較して立ち上がりが速い特徴を持つ。同側および反対側から記録したEEGと密接な相関を持つことから、この周期的なburstingがEEGの基礎をなすものと推測された。今後、ニホンサルを購入し、モンキーチェアーに座ることを訓練すると共に記録用チェンバーの固定などを行い、最終的には無麻酔下でのin vivoパッチクランプ記録を目指す。
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