研究課題/領域番号 |
18021015
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
福田 敦夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50254272)
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研究分担者 |
熊田 竜郎 , 医学部, 助教 (00402339)
古川 智範 , 医学部, 助教 (60402369)
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キーワード | クロライドトランスポーター / 皮質板細胞 / 大脳皮質 / 細胞移動 / GABA / タウリン / 国際情報交換 / ドイツ |
研究概要 |
1. Cl^-トランスポーターknock-downによる細胞移動の[Cl^-]_i依存性の検討[熊田、福田]: NKCC1 mRNAの転写を干渉するshRNAをコードするコンストラクトのプラスミドを調整し、計画1.で用いたHcRedプラスミドと同時に電気穿孔法で胎仔脳室帯の新生神経細胞に導入した。2種類のプラスミドは90%以上の高率で同一の細胞に導入されるので、HcRedを発現レた細胞にはSiRNAも導入されていることになる。こうしてNKCC1遺伝子の転写をsiRNAでknock-downして、Cl^-濃度を調節したホールセルパッチクランプで[Cl^-]_iを測定したところ平均値は過分極側にシフトした。しかし、目下のところradial移動の顕著な異常はでていないので、HcRedのみの場合の移動との比較の必要性が示唆された。NKCC1mRNAの減少を確認するためreal-time PCR法を行った。 2. 排出型Cl^-輸送体KCC2の機能発現抑制因子の検討[福田・古川]: KCC2にはいくつかのリン酸化部位が知られており、リン酸化あるいは脱リン酸化によってCl^-排出能が抑制されている可能性を検討するため、リン酸化阻害剤(スタウロスポリン)および脱リン酸化阻害剤(5酸化バナジウム酸)をスライスに投与して[Cl^-]_i変化を測定した。しかし、ラット胎生18日の移動細胞ではいずれにおいても変化を認めなかった。ところが、生後1週前後のKCC2が機能し始める時期で同様の実験を行うとKCC2過剰発現細胞において[Cl^-]_iが有意に減少し、広範性リン酸化阻害剤で[Cl^-]_iが低下した。すなわち、生後1週ではリン酸化によるKCC2機能抑制がおこるが、細胞移動期の胎生18日ではこのプロセスが起こらないことが示唆された。
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