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2007 年度 実績報告書

インテグリンのリサイクリングによる神経軸索の伸長機構

研究課題

研究課題/領域番号 18021020
研究機関神戸大学

研究代表者

匂坂 敏朗  神戸大学, 医学系研究科, 教授 (80359843)

キーワード神経軸索伸長 / 小胞輸送 / Rap1低分子量Gタンパク質 / PDZ-GEF1 / MAP kinase
研究概要

神経細胞は細胞体から1本の軸索と複数の樹状突起を伸長させる。軸索形成のひとつのメカニズムとして、小胞輸送により膜成分が軸索の先導端へ選択的に多く運ばれて、そこで膜が融合し、さらにそこでのアクチン細胞骨格などの再編成により、軸索の伸長が起こると考えられている。細胞接着分子インテグリンのエンド・エクソサイトーシスのくり返し(リサイクリング)が神経軸索伸長に関与している。また、そのインテグリンのリサイクリングには、Rap1低分子量Gタンパク質の活性化が関与していることが知られている。そこで、本研究では軸索が伸長・退縮する際に、どのようにして時間・場所特異的にRap1の活性化を制御しているのかに焦点をあてて解析し、以下の結果を得た。
1)NGFの受容体であるTrkA受容体の初期エンドソームから後期エンドソームへの輸送阻害によりRap1の活性化が抑制され、軸索の伸長を抑制した。
2)後期エンドソーム上でのRap1の活性化には、活性化因子であるPDZ-GEF1が関与していた。
3)PDZ-GEF1により活性化されたRap1がPDZ-GEF1に結合することにより、さらにRap1を活性化するというpositive feedback機構が存在した。
4)ラット初代培養海馬神経細胞において、RNAi法によりPDZ-GEF1をノックダウンすると軸索伸長は抑制された。
5)TrkA受容体を初期エンドソームに乗せて軸索を逆行性に運び、核近傍にある後期エンドソームに受容体を集積させRap1を活性化し、MAP kinaseの活性化による遺伝子発現を介して軸索の伸長を制御していた。
このように本年度は、Rap1の活性化の分子メカニズムについて、当初の計画以上の成果を上げることが出来た。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Rap1-PDZ-GEF interacts with a neurotrophin receptor at late endosomes, leading to sustained activation of Rap1 and ERK and neurite outgrowth2007

    • 著者名/発表者名
      Hisata, S.
    • 雑誌名

      J. Cell Biol. 178・5

      ページ: 843-860

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The roles of nectins in cell adhesions: cooperation with other cell adhesion molecules and growth factor receptors2007

    • 著者名/発表者名
      Sakisaka, T.
    • 雑誌名

      Curr. Opin. Cell Biol. 19・5

      ページ: 593-602

    • 査読あり
  • [学会発表] 小胞輸送によるRap1の活性化機構と軸索形成への関与2007

    • 著者名/発表者名
      匂坂 敏朗
    • 学会等名
      第40回日本発生生物学会・第59回日本細胞生物学会 合同大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2007-05-30

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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