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2006 年度 実績報告書

シナプスから核へのシグナル伝達

研究課題

研究課題/領域番号 18021032
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

西 真弓  京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (40295639)

キーワードシナプス / CREB / NFkB / インポーチン / 長期記憶 / 海馬 / 核輸送 / 樹状突起
研究概要

本研究では、CREBならびにNFkBを題材とし、樹状突起に存在する転写因子の調節と核移行のメカニズムならびにその生理学的意義を明らかにしていく。初年度の平成18年度は以下の課題に取組んだ
【課題1】樹状突起に存在する転写因子の神経活動に伴う細胞内局在の解析
CREB、NFκB(p65ならびにp50)に対する抗体を用い、これらの転写因子が樹状突起に存在するかを初代海馬培養神経細胞を用いて調べた。CREBは定常状態では主として神経突起と細胞体の両方に存在したが、TTXで神経刺激を遮断すると神経突起分布が優位となった。KC1、グルタミン酸の刺激により、CREB、NFkBともに核内の分布が優位に認められた。
[2]GFP融合蛋白転写因子を用いた検討
CREBならびにiNFκB(p65ならびにp50)とGFPとの融合蛋白をまずCOS-1細胞あるいは初代神経培養細胞にリポフェクション法で発現させ、[1]と同様な刺激を加えることにより核移行するか否かをリアルタイムイメージングにより調べた。YFP-CREBはTTX非存在下では主として核内に存在したが、TTX処理により突起にも分布が認められ、KC1やグルタミン酸投与によって15〜30分で核内へ移行した。一方、NFkBの分布様式はTTXの有無によらなかったが、グルタミン酸処理により核移行が認められた。
[3]転写因子の変異体を用いた検討
CREBならびにNFκBのいかなる構造が核移行に必要かを検討するために、CREBならびにNFκBの核移行シグナル(Nuclear localization signal; NLS)に変異を導入し、夫々のGFP融合蛋白を分散培養神経細胞に発現させた。CREBの分布はTTX非存在下においても、細胞体のみならず突起にも広範な分布が認められるようになった。NFκBは元々突起にも有意な分布が認められたが、NLSの変異体では細胞体より突起の分布が優位となった。
[4]転写因子核移行の分子機構の解析
[3]の実験よりNLSが刺激依存性の核移行に重要なことが明らかになったため、NLSを認識する細胞質一核輸送因子であるインポーチンが転写因子の核移行に関与しているかを調べた。
インポーチンのGFPとの融合資白を分散培養神経細胞に発現させ、神経刺激によってインポーチン自体がいかなる調節を受けているかを確認した。KC1刺激によりインポーチンαが樹状突起から核へ移行した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Direct Visualization of Glucocorticoid Receptor Positive Cells in the Hippocampal Regions using Green Fluorescent Protein Transgenic Mice2007

    • 著者名/発表者名
      Nishi M
    • 雑誌名

      Neuroscience (in press)

  • [雑誌論文] Dynamics of glucocorticoid receptor and mineralocorticosteroid receptor.2007

    • 著者名/発表者名
      Nishi M
    • 雑誌名

      Neuroendocrinology (in press)

  • [雑誌論文] Direct and rapid cytosolic delivery using cell-penetrating peptides in the presence of counteranions.2006

    • 著者名/発表者名
      Takeuchi T
    • 雑誌名

      ACS Chemical Biology 1

      ページ: 299-303

  • [雑誌論文] Brain Corticosteroid Receptor Dynamics and Trafficking : Implications from Live Cell Imaging2006

    • 著者名/発表者名
      Nishi M
    • 雑誌名

      Neuroscientist 12

      ページ: 119-133

  • [雑誌論文] 蛍光分子イメージングによるコルチコステロイドレセプターの動態の可視化、顕微鏡2006

    • 著者名/発表者名
      西 真弓
    • 雑誌名

      顕微鏡 41

      ページ: 102-106

  • [図書] PTSD- Brain mechanisms and clinical implications2006

    • 著者名/発表者名
      河田光博
    • 総ページ数
      304
    • 出版者
      Springer

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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