• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

新規遺伝子機能から見た神経発生の分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号 18022003
研究機関東北大学

研究代表者

小椋 利彦  東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60273851)

キーワード神経発生 / 細胞移動 / Wnt / Daam / Endocytosis
研究概要

中枢神経系は種特異的な神経組織の構築を基礎とするが、神経組織そのものの発生は、昆虫からヒトに至る広範な生物種で保存された普遍的な原理に基づいている。本研究では、ハエから高等動物まで高度に保存された遺伝子の機能を解析し、新たな神経発生制御機構の一端を明らかにすることを目的とした。そのひとつ、DaamはWnt経路で働いて細胞の極性、移動に関与し、Dishevelled、EphBと会合し、Dynamin依存的に細胞表面のEphB分子endocytosisによる除去、引き続き起るされる細胞接着の解除に直接関与していることがわかった。細胞接着が解除され、細胞の自由な動きが可能となった後、Daam1は細胞骨格のリモデリングを誘導して細胞の動きを制御する。この仕組みは、神経組織の発生にも深く関与している。また、Daamのシグナル経路で働く新規遺伝子の同定を行ない、中枢神経系、とくに後脳ロンボメアに特異的発現を示す遺伝子の同定にも成功した。
また、神経細胞を含む細胞移動は、細胞の変形を伴うが、この変形、ひずみを力学的に解釈する必要がある。本研究では、細胞に外的力が働き、細胞骨格の変形が起ると細胞骨格から核内にシャトルし、遺伝子発現の調節を行なう因子を複数同定した。そのいくつかは神経細胞そのもの、中枢神経系に入り込む新生血管の先端部に発現が認められ、細胞に加わる物理的な力を受容し、遺伝子発現に結びつけていると考えられる。この知見は、神経発生の解釈に新たな展開を引き起こすものである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Csrp1 regulates dynamic cell movements of the mesendoderm and cardiac mesoderm through interactions with Dishevelled and Diversin.2007

    • 著者名/発表者名
      Miyasaka, K.Y., et. al.
    • 雑誌名

      Proc. Natl. Acad. Sci. USA 104

      ページ: 11274-11279

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Daam1 regulates the endocytosis of EphB during the convergent extension of the zebrafish notochord.2007

    • 著者名/発表者名
      Kida, Y.S., et. al.
    • 雑誌名

      Proc. Natl. Acad. Sci. USA 104

      ページ: 6708-6713

    • 査読あり
  • [学会発表] PETA3 is a novel Wnt/PCP pathway component during zebrafish gastrulation.2008

    • 著者名/発表者名
      Miyasaka, K.Y., et. al.
    • 学会等名
      Keystone Symposium
    • 発表場所
      Colorado, USA
    • 年月日
      20080217-18

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi