• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

線虫の化学走性学習に関わる分子パスウェイの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 18022011
研究機関東京大学

研究代表者

飯野 雄一  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40192471)

研究分担者 國友 博文  東京大学, 遺伝子実験施設, 助教 (20302812)
キーワード化学走性学習 / 線虫 / カルシンテニン / アルカデイン / 感覚神経 / インスリン / PI3キナーゼ経路 / 行動遺伝学 / アルツハイマー病 / エクトドメイン
研究概要

我々はインスリン-PI3キナーゼシグナル伝達経路が化学走性の連合学習に重要な働きをしていることを見いだしている。インスリン受容体とその下流で働くPI3キナーゼ経路は感覚神経ASERで働く。本年度、PI3キナーゼ経路の下流因子を同定する目的で、インスリン経路の機能が昂進したdaf-18変異体のサプレッサー変異体の解析を行った。すでにGqタンパク質をコードするegl-30の活性化型変異体が得られているが、今回新たにグアニル酸シクラーゼをコードする遺伝子の変異体が得られた。この変異体はCl^-イオンに対する化学走性が低下していた。また、この遺伝子が感覚神経ASERで働くことも確認した。学習を起こさせるCl^-の刺激に依存してグアニル酸シクラーゼが働くことが学習に重要であることを示唆する結果である。
次に、化学走性学習の変異体を順遺伝学的手法で新たに分離した。原因遺伝子はカドヘリンスーパーファミリーのI型の膜貫通タンパク質で、アルツハイマー病原因遺伝子APPと三者複合体を作るカルシンテニン/アルカデインの線虫ホモログCASY-1であった。casy-1変異体は多種の学習に欠損を示した。蛍光タンパク質をN端及びC端に結合したCASY-1を発現させて観察した結果、線虫CASY-1の細胞外に位置するN端もやはり切断され遊離されていることがわかった。細胞特異的プロモーターを使ったレスキュー実験により、casy-1は感覚神経ASERに発現することが化学走性学習に必要であるとわかった。さらに、遺伝子の各部分を欠損させることによる機能的ドメインマッピングにより、CASY-1の細胞外ドメインが切断されて働くことが学習における機能に重要であるとわかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Caenorhabditis elegans DYF-11, an orthologue of mammalian Traf3ip1/MIP-T3, is required for sensory cilia formation2008

    • 著者名/発表者名
      Kunitomo, H. Iino, Y.
    • 雑誌名

      Genes Cells 13

      ページ: 13-25

    • 査読あり
  • [雑誌論文] CASY-1, an ortholog of calsyntenins/alcadeins, is essential for learning in Caenorhabditis elegans2008

    • 著者名/発表者名
      Ikeda, D.D., Duan, Y., Matsuki, M., Kunitomo, H., Hutter, H., Hedgecock, E.M., Iino, Y.
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci USA 105

      ページ: 5260-5

    • 査読あり
  • [学会発表] カルシンテニン/アルカデインの線虫ホモログCASY-1は種々の学習に必須である2007

    • 著者名/発表者名
      池田大祐
    • 学会等名
      第30回日本神経科学大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2007-09-11
  • [備考]

    • URL

      http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/mgrl/IINO_lab/

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi