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2006 年度 実績報告書

ATP受容体チャネルP2Xの発現状況に依存する構造と機能の変化の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18022042
研究機関生理学研究所

研究代表者

久保 義弘  生理学研究所, 分子生理研究系, 教授 (80211887)

キーワード生理学 / 神経科学 / 生体分子 / 蛋白質 / シグナル伝達
研究概要

P2X受容体は細胞外ATPによって活性化されるリガンド作動性の非選択性陽イオンチャネルで、2回膜貫通型のサブユニットの3量体であることが明らかにされている。2つの膜貫通部位には、膜電位センサ-と考えられるような電荷を有するアミノ酸残基のクラスタ-はないため、膜電位依存性を持つチャネルとは認識されていない。今年度、ツメガエル卵母細胞を発現系として用い、2本刺し膜電位固定下で、ATP投与後の定常状態におけるP2X_2チャネル電流と膜電位との関係を定量的に解析した。
脱分極電位から過分極電位へのパルス刺激を与えた時、チャネルポアの持つ内向き整流性による瞬時の電流レベルの変化に加え、緩徐な内向き電流の活性化相が見られた。この活性化は、より高い脱分極電位に、より長く保持した時に、より顕著にみられた。このことから、膜電位に依存したゲート機構が存在し、過分極電位で開きやすいことが明らかになった。この活性化相は細胞外のATP濃度に依存性を示し、ATP濃度が低い時は活性化が遅く高い時は速かった。すなわち、ATP投与後の定常状態において、P2X_2チャネルは膜電位とATP濃度に依存する"ゲート"機構を持つことが新たに示された。
現時点では、膜電位とATP濃度に依存して、Gly残基における折れ曲がりとチャネルの活性化が起こる機構の詳細は明らかではないが、ATPは負電荷を帯びているため、ATPの結合自体に膜電位依存性がある可能性が考えられる。また、膜貫通部位にごく少数存在する電荷を帯びたアミノ酸残基が、膜電位を感知している可能性も残る。そこで、今後、ATP結合部位、および、膜貫通部位のアミノ酸残基を変異させた変異体の機能を解析することにより、可能性の検証を進める計画である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Coupling profile of the metabotropic glutamate receptor 1□ is regulated by the C-terminal domain.2007

    • 著者名/発表者名
      Tateyama, M., Kubo, Y.
    • 雑誌名

      Molecular and Cellular Neuroscience 34

      ページ: 445-452

  • [雑誌論文] Alternative splicing of RGS8 gene changes the binding property to the M1 muscarinic receptor to confer receptor type-specific Gq regulation.2006

    • 著者名/発表者名
      Itoh, M., Nagatomo, K., Kubo, Y., Saitoh, O.
    • 雑誌名

      Journal of Neurochemistry 99

      ページ: 1505-1516

  • [雑誌論文] Regulation of the desensitization and ion selectivity of ATP-gated P2X_2 channels by phosphoinositides.2006

    • 著者名/発表者名
      Fujiwara, Y., Kubo, Y.
    • 雑誌名

      Journal of Physiology 576

      ページ: 135-149

  • [雑誌論文] Functional roles of charged amino acid residues on the wall of the cytoplasmic pore of Kir2.1.2006

    • 著者名/発表者名
      Fujiwara, Y., Kubo, Y.
    • 雑誌名

      Journal of General Physiology 127

      ページ: 401-419

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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