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2007 年度 実績報告書

ATP受容体チャネルP2Xの発現状況に依存する構造と機能の変化の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18022042
研究機関生理学研究所

研究代表者

久保 義弘  生理学研究所, 分子生理研究系, 教授 (80211887)

キーワード生理学 / 神経科学 / 生体分子 / 蛋白質 / シグナル伝達
研究概要

昨年度までに、ATP投与後の定常状態におけるP2X_2チャネル電流と膜電位との関係を定量的に解析し、膜電位依存的ゲートが存在すること、さらに、この活性化相が、細胞外ATP濃度に依存性を示すことを見いだした。明確な膜電位センサー領域は存在しないことから、そのゲート機構の由来として、「ATPの結合自体、もしくは、ATPが結合したATP結合部位の構造変化が、膜電位依存的である。」という可能性を想定し、以下の変異体解析により検証した。ATP結合部位の変異体K71A,K71R,R290A,R290Kでは、野生型でみられる、膜電位-コンダクタンス関係のATP濃度依存性、活性化時定数のATP濃度依存性が、共に減弱する傾向があったが、ATP感受性が激減していたため、解析できるATP濃度に限りがあり、明確な結論を導くことができなかった。そこで、さらに、ATP感受性の低下が激しくない2種の変異体K69RおよびK308Rについて詳細な解析を行った。K69R変異体は、野生型に比し35倍のEC_50値の増加を示した。その膜電位・コンダクタンス関係はATP濃度依存性を示したが、野生型と異なり活性化時定数はATP濃度依存性を示さなかった。K308R変異体のEC_50値の増加は8倍と緩徐であった。その膜電位-コンダクタンス関係、および活性化時定数は、野生型と異なりATP濃度依存性を示さなかった。以上の「ATP結合部位の環境を変えることにより膜電位感知機構が変化する」という実験結果から「(膜電位センサーの動き等ではなく)ATP結合にまつわる膜電位依存性が、P2X_2チャネルの膜電位依存的活性化の源である。」ということが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] The motor protein prestin is a bullet-shaped molecule with inner Cavities.2008

    • 著者名/発表者名
      Mio K, Kubo Y, Ogura T, Yamamoto T, Arisaka F and Sato C
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry 283

      ページ: 1137-1145

    • 査読あり
  • [雑誌論文] KCNE1 and KCNE3 Stabilize and/or Slow Voltage Sensing S4 Segment of KCNQ1 Channel.2007

    • 著者名/発表者名
      Nakajo K and Kubo Y
    • 雑誌名

      Journal of General Physiology 130

      ページ: 269-281

    • 査読あり
  • [学会発表] Analysis of voltage and [ATP] dependent gating of P2X2 receptor channel by mutagenesis of the ATP binding region.2008

    • 著者名/発表者名
      Batu Keceli, Yuichiro Fujiwara, Yoshihiro Kubo
    • 学会等名
      第85回 日本生理学会大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-03-25
  • [学会発表] Voltage and [ATP] dependent gating of the ATP receptor channel P2X2.2008

    • 著者名/発表者名
      Yuichiro Fujiwara, Batu Keceli, Yoshihiro Kubo
    • 学会等名
      Biophysical Society 52nd Annual meeting
    • 発表場所
      Long Beach, California, USA
    • 年月日
      2008-02-04

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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