研究課題/領域番号 |
18022051
|
研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
荒木 敏之 国立精神・神経センター, 神経研究所疾病研究第五部, 部長 (70263275)
|
研究分担者 |
舘野 美成子 国立精神・神経センター, 神経研究所疾病研究第五部, 室長 (50332325)
|
キーワード | 蛋白発現調節 / Schwann細胞 / 脱分化 / ユビキチン化 / プロテアソーム / E3 / ユビキチンリガーゼ / RINGフィンガー |
研究概要 |
我々は、末梢神経において神経損傷後Schwann細胞に発現が誘導される分子をスクリーニングすることによりzinc finger/RING finger蛋白(ZNRF1)を発見し、ZNRF2と共に新しいタンパク質ファミリーを作ることを明らかにした。これまでの研究からZNRFファミリーは神経細胞全般に共通するシナプス形成機序、シナプス伝達機能神経細胞の正常な形態、末梢神経の変性・再生過程におけるSchwann細胞の機能など神経系の多様な機能に関係するE3である可能性が強く示唆されている。 本研究では、このように神経系の多様な機能に重要な作用を持つ可能性のあるZNRFファミリーE3リガーゼのターゲット(ZNRF蛋白と結合しZNRF蛋白依存的にユビキチン化を受ける蛋白)の同定を行うことによって、ZNRFによる蛋白代謝機構、ZNRFファミリーによって調節を受けている神経の機能を解析することを目標としている。 これまでに、我々はZNRFに結合する蛋白をスクリーニングすることによって、ZNRF1にアフィニティーをもつ基質蛋白の候補を同定した。培養細胞にZNRFとこの候補蛋白を遺伝子導入し基質のタンパク量の変化をイムノブロット法で解析した結果、ZNRF発現量に依存して基質候補蛋白量が減少すること、プロテアソーム阻害剤存在下または、ZNRF1のドミナントネガティブとの共発現では基質候補蛋白の分解が起こらないことを明らかにした。 この候補蛋白は主としてグリア細胞に発現しており、Schwann細胞におけるZNRF1の生理的基質であることを確認した。 今後、さらにこの基質蛋白のZNRF依存的なユビキチン化とプロテアソーム分解を確認し、この蛋白がZNRF依存的な発現制御を受けることの生理学的意義を明らかにしていく予定である
|