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2006 年度 実績報告書

NMR構造生物学による神経変性疾患の発症機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18023032
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

山口 芳樹  名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 講師 (90323451)

研究分担者 加藤 晃一  名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (20211849)
栗本 英治  名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 助手 (90234575)
キーワード蛋白質 / 脳神経疾患 / 分子認識 / 薬学
研究概要

1.安定同立体標識Aβ(1-40)と糖脂質との相互作用解析
大腸菌による大量発現を行ったAβ(1-40)を調製して、糖脂質GM1との相互作用解析を試みた。GM1ミセルとAβ(1-40)の複合体は分子サイズが大きく、通常のNMR測定ではシグナルを観測することが困難であるが、Aβ(1-40)の非交換性の水素を重水素に置換すること、また超高磁場920MHz NMR装置を用いたTROSY測定を行うことにより、GM1ミセルに結合したAβ(1-40)由来のNMRシグナルを捉えることに成功した。
2.超高磁場NMR装置を利用したリン酸化α-synucleinの動的構造解析
安定同位体標識を施したリン酸化α-synucleinを調製し、超高磁場NMR装置を利用した解析を行った。その結果、C末端近傍に位置するSer129のリン酸化に伴い、一次構造上でその周辺に位置するアミノ酸残基に由来するNMRシグナルのみならず、そこから離れた部位(Lys34,Lys45)に由来するシグナルにも化学シフト変化が観測された。この結果から、α-synucleinでは、そのC末端近傍が分子中央部と相互作用することが示唆された。
3.Ataxin-3とdi-ubiuitlnとの相互作用解析
マシャド・ジョセフ病の原因遺伝子産物・ataxin-3のJosephinドメインの脱ユビキチン活性の発現メカニズムを明らかとするため、Lys48結合型di-ubiquitinとJosephinドメインとの相互作用解析をNMRにより行った。その結果、Josephinドメインはdi-ubiquitinのイソペプチド結合を囲む疎水性表面と相互作用することが判明した。また、近位ユビキチンのC末端部位はJosephinドメインの触媒残基近傍に位置することが明らかとなった。これらの結果から、Josephinドメインはendo型の脱ユビキチン活性を有していると考えられる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] NMRによる糖鎖-タンパク質相互作用の解析2007

    • 著者名/発表者名
      山口芳樹
    • 雑誌名

      実験医学 25

      ページ: 1137-1144

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Solution structure and dynamics of Ufm1, a ubiquitin-fold modifier 12006

    • 著者名/発表者名
      Sasakawa, H.
    • 雑誌名

      Biochem. Biophys. Res. Commun 343

      ページ: 21-26

  • [雑誌論文] Evolutionally conserved intermediates between ubiquitin and NEDD82006

    • 著者名/発表者名
      Kitahara, R.
    • 雑誌名

      J.Mol.Biol. 363

      ページ: 395-404

  • [雑誌論文] 新生ポリペプチド鎖が小胞体へ移行する前にプロテアソーム分解に導くしくみ2006

    • 著者名/発表者名
      神谷由紀子
    • 雑誌名

      実験医学 24

      ページ: 2617-2618

  • [雑誌論文] 構造生物学から見たユビキチン系2006

    • 著者名/発表者名
      坂田絵理
    • 雑誌名

      蛋白質 核酸 酵素 51

      ページ: 1134-1142

  • [雑誌論文] 神経変性疾患にかかわるタンパク質のかたち2006

    • 著者名/発表者名
      加藤晃一
    • 雑誌名

      Bionics 19

      ページ: 30-35

  • [図書] Comprehensive Glycoscience2007

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi, Y.
    • 総ページ数
      4000
    • 出版者
      Elsevier Science

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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