研究課題
タウ遺伝子に変異を持つ神経変性疾患であるFTDP-17は。前頭葉と側頭葉の萎縮、神経細胞の消失、神経細胞やグリア細胞内のタウ病変が特徴である。これまでにP301L変異を持っFTDP-17患者脳内ではP301L変異型タウのみ凝集し。野生型タウは凝集していないのに対し、R406W変異を持つFTDP-17患者脳内ではR406W変異型タウと野生型タウの両方が凝集、蓄積することが報告されている。今年度は。FTDP-17患者脳内における変異タウの凝集体形成のメカニズムを明らかにすることを目的とし、生化学的解析、タンパク質化学的解析を行った。Tau-WT、TarP301L溶液に凝集核としてSeed-WTを添加したところ、いずれにおいても同程度の凝集体が形成された。一方、凝集核としてSeed-P301Lを添加したところ、Tau-P301Lでは多量の凝集が観察されたがTau-WTでは少量であった。Tau-WT、Tau-R406WにSeed-WT、もしくはSeed-R406Wを添加したところ、いずれの場合においても同程度の不溶性タウが形成された。Seedによって形成された凝集体はヘパリン添加により形成される線維と同様の線維が観察され、その形態に差は認められなかった。凝集核の構造的違いが線維の伸長過程に影響する可能性を考え。各々の凝集核をプロナーゼ処理し、プロナーゼ耐性を示す線維の中心領域を解析した。その結果、Seed-P301Lのプロナーゼ耐性バンドのパターンはSeed-WTのそれと異なるパターンを示した。一方、Seed-R406WのバンドパターンはSeed-WTと同様であった。
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