研究課題/領域番号 |
18025001
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
高濱 秀 金沢大学, 文学部, 教授 (60000353)
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研究分担者 |
川又 正智 国士舘大学, 文学部, 教授 (90103671)
松原 隆治 星城大学, 経営学部, 准教授 (50259363)
林 俊雄 創価大学, 文学部, 教授 (50132759)
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キーワード | 遊牧民 / スキタイ / イラン西北部 / ハサンルー / ジヴィエ / ウラルトゥ |
研究概要 |
研究代表者、分担者、協力者が、スキタイの活動した地域であるイラン北西部、トルコ東部などを訪れて、その時期の関連する遺跡を調査した。イランでは、デーラマン地方のマルリク、ジャラリィエ、ガレクティ、アルデビル近郊のシャーリエリ-メシュキンシャフル、ウルミヤ湖北のバスタム、ウルミヤ湖畔のヤニク・テペ、ディンハ・テペ、ギョイ・テペ、ハサンルー、そしてジヴィエを見ることができた。トルコ東部のヴァンでは、ウラルトゥの遺跡であるヴァン・カレ、チャヴシュ・テペ、アヤニスなどを踏査した。またテヘランの考古学博物館やアンカラのアナトリア文明博物館を訪れて、関連する遺物も調査した。 シリアにおいては、ビシュリ山系において調査されているガーネム・アリやルジュン・ヘダージュなどを調査し、また他の重要な遺跡も見学することができた。 今回の調査で、ハザンルー、ジヴィエなどの遺跡において、石積みやその上に築かれた煉瓦からなる建築物を見るととができた。特にジヴィエの城砦を調査できたのは特筆すべきことである。またウラルトゥの城砦の立地、石積み、建築の特徴などもある程度了解することができた。これらはスキタイ侵入当時の西アジアの状況を知るために必須のものである。またシリア、ビシュリのルジュン・へダドジュにおいては、セム系初期遊牧民のものと考えられる右積みの墓を見学することができたが、これはモンゴルの石積みのヘレクスルなどとも一脈通ずるところがある。また博物館における調査では、とりわけジヴィエ遺宝の一部や、ハサンルー出土の金製鉢をイラン考古学博物館で精査できたのが、我々の研究にとって有益であった。
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