平成18年度前半中に、近赤外線のデータベースである2 Micron All Sky Survey (2MASS)のデータを入手した.これを解析し、本研究の基礎となる分子雲コアのサンプルを得るためのプログラム開発に取り組んだ。プログラムについては、平成18年度内にほぼ完成し、平成19年5月現在、最終的なデバック作業を行っている状況にある。このプログラムについては今後、すみやかにデバック作業を終え、平成19年度前半中に、分子雲コアの全天探査を本格的に開始する予定である。 平成19年度後半より、LDN134、LDN1251、LDN1235、および、IC5146領域にある複数の分子雲コアに対してこ東京大学所有の60cm電波望遠鏡(VST鏡)を用いて^<12>CO(J=2-1)および ^<13>CO(J=2-1)分子輝線によるミリ波分子分光観測を遂行した。得られたデータは現在解析中であるが、少なくともこれら4領域の分子雲コアについては、研究を遂行するための充分なデータを得ることができた。この分子ガスのデータの解析と平行しで、2MASSによる近赤外線データの比較解析も、天体毎に進めている状況にある。 なお、分子分光観測に先立ち、東京大学および大阪府立大学の電波天文学グループと協力してVST鏡のリニューアルに取り組んだ。我々東京学芸大学のグループは、大学院生の教育も兼ねて、同望遠鏡のアンテナ温度較正用の回転チョッパーおよび2台の電波分光計の開発・作製を担当した。
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