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2006 年度 実績報告書

ビフェロセン-TCNQ系電荷移動錯体の開発:金属相の実現と相制御

研究課題

研究課題/領域番号 18028022
研究機関東邦大学

研究代表者

持田 智行  東邦大学, 理学部, 助教授 (30280580)

キーワードビフェロセン / 電荷移動錯体 / 相転移 / 磁性 / TCNQ
研究概要

本研究では、新しい相転移物性の発現および相制御を目指したビフェロセン系電荷移動錯体の開発を主眼とする。
第一に、前年度の継続として、一価固体・二価固体の相境界図の作成を試みた。一連のビフェロセン系錯体の酸化還元電位と原子価状態の相関について、前年おおよその傾向を把握したが、今年度は新しいビフェロセン誘導体(MeO体、MeSe体)を用いた錯体を順次合成することにより、特に相境界近傍の物質の探索を重点的に行った。
第二に、分子内に配座自由度を導入し、相転移制御を目指す試みを行った。こうした目的のため、シクロアルケニル基またはシクロアルキル基を導入した一連の新規ビフェロセン誘導体を合成した。いくつかの物質については単体の結晶構造解析を行なった。これらは電荷移動錯体を与えにくい傾向があったが、[1'-cyclohexenylbiferrocene][Ni(mnt)_2]については単結晶が得られた。この錯体はビフェロセンのモノカチオンを含んでおり、アニオンとの静電相互作用によって原子価の局在がおこっていた。シクロヘキセニル基は1'-cyclohexenylbiferroceneの単体の結晶中ではディスオーダーしていたが、[Ni(mnt)_2]塩ではディスオーダーが抑えられていた。これは、クーロン相互作用のために塩では分子がより密にパッキングしていることに起因する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Ionic(I)-Ionic(II) Phase Transition in a Biferrocenium Charge-Transfer Complex2006

    • 著者名/発表者名
      T.Mochida
    • 雑誌名

      Molecular Crystals and Liquid Crystals 455

      ページ: 113-116

  • [雑誌論文] 価数転換を起こすイオン性分子結晶2006

    • 著者名/発表者名
      持田智行
    • 雑誌名

      機能材料 26(8)

      ページ: 14-21

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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