1.平成18年度は、申請者らが構築したCu-Zr合金系を表現する原子間ポテンシャルを用いて、Cu-Zr合金系の大規模アモルファス構造の生成シミュレーションを実施し、得られた構造の微視的内部構造の評価と変形メカニズムを解明することを試みた。 1.Cu-Zr合金(結晶相)の融解・急冷過程の分子動力学シミュレーションによりアモルファス金属を生成する。幾何学的な原子構造の変化を、CNA解析、ボロノイ多面体解析、動径分布関数の変化によって調べ、アモルファス生成メカニズムを解明する。また、得られたアモルファスの自己拡散係数を評価することを目指した。 2.ポテンシャルの信頼性をあげることが、実現象の厳密なシミュレーションを可能とすることから、現状のポテンシャルの精度を更に上げるべくポテンシャル開発を行なった。 3.Microsoft AVS expressを用いて、可視化システムを構築した。直接的な可視化(サイエンティフィックビジュアリゼーション)によりメカニズムの検討を行なう環境を整えた。 2.単元系を研究する際に用いていたEAM型の多体ポテンシャルに比べて、本研究課題で用いる二元系のMEAMポテンシャルでは、計算手順が複雑になり、また高速、大容量の計算機環境の構築が必須であり、現有の計算機設備では十分な成果を得ることは難しい。新しい解析プログラムの開発と基礎特性の把握のために小規模クラスターを用いた計算を試みた。また、所属部署の16CPUで並列計算を実施できる環境を整えた。
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