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2006 年度 実績報告書

バルク金属ガラスにおける超高疲労限度・高破壊靱性特性の把握とそのメカニズムの検討

研究課題

研究課題/領域番号 18029023
研究機関宇部工業高等専門学校

研究代表者

藤田 和孝  宇部工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (10156862)

研究分担者 吉田 政司  宇部工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (10370024)
幡中 憲治  宇部工業高等専門学校, 校長 (60026193)
キーワードバルク金属ガラス / アモルファス / 疲労 / 疲労き裂 / せん断帯 / 破壊靭性 / 破壊力学 / フラクトグラフィ
研究概要

高強度結晶合金の高い疲労限度σwを凌ぐ,超高σwを有するバルク金属ガラス(BMG)と,そのσwを明らかにするべく,Cu基(Cu_<60>Hf_<25>Ti_<15>;以下CuHfTi, Cu_<60>Zr_<30>Ti_<10>;以下CuZrTi,いずれも引張強さ(σ_B)=約2.0GPa),Ti基(Ti_<41.5>Zr_<2.5>Hf_5Cu_<42.5>Ni_<7.5>Si_1, σ_B=2.1GPa), Fe基((Fe_<0.5>Co_<0.5>)_<72>B_<20>Si_4Nb_4, σ_B=4.2GPa)およびCo基((Co_<0.6>Fe_<0.4>)_<0.75>B_<0.20>Si_<0.05>)_<96>Nb_4, σ_B=4.2GPa)BMGについて,応力比R=0.1の部分片振り引張疲労寿命試験を実施した.その結果,σw(全振幅値)は高い方から,Co基;2.5,Fe基;2.3,Ti基;1.6,CuZrTi;0.98,CuHfTi;0.87GPaを示し,また耐久比(σw/σ_B)は同じく高い方からTi基;0.79,Co基;0.60,Fe基;0.54,CuZrTi;0.49,CuHfTi;0.41を示した.σwは,特にCo基,Fe基BMGでは高強度結晶合金のCr-Mo鋼や合金工具鋼のσ_B=約2.0GPa(σwは1.0GPa)さえ遥かに凌いでおり,またTi基BMGのσw/σ_Bは約0.8を示し,破面様相は明らかに疲労であるがσ_Bとあまり差のない極めて大きなσwを示した.CuHfTiはCuZrTiと同様ナノ結晶分散材であり,疲労限度に明瞭な差異は生じなかった.Co基とFe基BMGの疲労き裂領域は約2μmと極めて小さかった.両者は,ここで用いた金属元素だけからなる他のナノ結晶分散材と異なり,いずれも単相材であるが金属と半金属元素からなるので共有結合性が高く,繰返し応力下においても変形しにくく,このように高い値を示したものと考えられた.
破壊靭性試験を未だK_<IC>データの無いCuZrTi,Ti基,Pd基(Pd_<40>Cu_<30>Al_<10>P_<20>, Pd_<40>Ni_<40>P_<20>.σ_Bはいずれも約1.7GPa)BMGについて実施した.その結果,CuZrTiは少なくとも約40MPa・m^<1/2>以上と大きな値を示し,Ti基は21MPa・m^<1/2>を示した.Pd基については疲労き裂を入れることができなかった.Cu基BMGは,Zr基BMGの約50MPa・m^<1/2>に続き,実用上十分なK_<IC>を有する可能性が示された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Effects of Loading Rates, Notch Root Radius and Specimen Thickness on Fracture Toughness in Bulk Metallic Glasses2007

    • 著者名/発表者名
      Kazutaka FUJITA, Akinori Okamoto, Nobuyuki Nishiyama, Yoshihiko Yokoyama, Hisamichi Kimura, Akihisa Inoue
    • 雑誌名

      Journal of Alloys and Compounds Vol.434-435

      ページ: 22-27

  • [雑誌論文] Ti基およびCu基ナノ結晶分散型バルク金属ガラスの疲労強度2006

    • 著者名/発表者名
      藤田和孝, 橋本哲郎, 張 偉, 西山信行, 馬 朝利, 木村久道, 井上明久
    • 雑誌名

      日本金属学会誌 70巻,10号

      ページ: 816-823

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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