研究課題/領域番号 |
18029025
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研究機関 | (財)高輝度光科学研究センター |
研究代表者 |
小原 真司 (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門・極限構造チーム, 副主幹研究員 (90360833)
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研究分担者 |
高田 昌樹 (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 部門長主席研究員 (60197100)
渡邊 匡人 学習院大学, 理学部・物理学科, 教授 (40337902)
水野 章敏 学習院大学, 理学部・物理学科, 助手 (10348500)
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キーワード | 金属ガラス / 過冷却液体 / 高エネルギーX線回折 |
研究概要 |
本年度において、金属ガラス融体および過冷却液体の構造データを得るためのガスジェット浮遊装置はほぼ完成した。そして本装置を用いて、種々の組成のZr-Cu系、Zr-Ni系融体の放射光X線回折実験に成功した。現在得られたデータの詳細な解析を行っているところである。しかしながら、金属ガラス融体を過冷却液体として安定に長時間維持することは出来なかった。これは融体の温度を下げていった際に核生成が促進され、結晶化が起こったためと考えられる。その原因として、ノズルを冷却していることから試料周りに温度勾配ができていることが挙げられる。今後はこれらの結果を踏まえ、過冷却液体を長時間安定に維持するための条件を探索する。とくにノズルの改良は解決すべき大きな問題である。そして、融体が過冷却液体→ガラスとなる過程をリアルタイムで観察することが実験面における最終目標とする。そのためにX繰回折データを迅速に測定する必要がある。迅速測定については今年度、融体が結晶になる過程を25msec程度の間隔で回折データを得ることに成功している。 今後は、「過冷却液体の実現」、「迅速測定」を実現することが第一目的である。さらに、現在行っているX線回折データに基づいたシミュレーションに経験的ポテンシャルを導入する。このことにより、より信頼性の高い液体構造モデルの構築が可能となる。そして、最終目標である融体が過冷却液体→ガラスとなる過程のリアルタイム観察およびその3次元構造可視化を目指す。
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