研究概要 |
大気圧下での微小空間で発生させるマイクロプラズマ空間を位置選択的なマイクロプラズマ重合反応での化学反応場に利用し,ドライプロセスでの高分子合成への適用可能なプロセスの作成及びマイクロプラズマ重合反応と重合薄膜の学術的なキャラクタリゼーション手法について検討した.熱電子支援用マイクロプラズマ(TEMP)を基盤技術として,VHF帯域の高周波電源とトーチ型の大気圧下でのマイクロプラズマ発生装置を用いたプロセス応用により,従来,困難であった大気圧マイクロプラズマのガス温度の低温化を可能し,低RF出力条件ではプラズマガス温度を有機化合物の分解の少ない100℃以下に維持することに成功し,マイクロプラズマ空間に導入した重合性有機化合物を,大気圧開放系でのマイクロプラズマ重合の反応空間として利用できる反応プロセスの作成とその機能膜化に成功した.4種類の有機モノマーを原料としたプラズマ重合膜の合成及び薄膜のキャラクタリゼーションを行い,その応用である化学センサや免疫センサ用途の高分子材料開発の研究を行い,マイクロプラズマ重合(MPP)アリルアミン膜,MPPアクリル酸膜では,各種MPP反応条件に対する膜の物理的・化学的な構造を,QCM, SEM-EDX, AFM,接触角法,FT-IR, XPS,膜溶解性試験,ガス吸着,蛍光標識抗体固定化法で調べ,両者のMPP重合膜上に個々の手法経由で抗体を共有結合法で固定化できることから,MPP重合膜がバイオセンサのバイオインターフェイスとして機能発現できることを見出した.さらに,MPP重合反応のOn-demand自動制御化の実証を試みた.即ち,センサ素子のモデルとして鏡面研磨シリコン板上にMPP重合膜合成の自動化の試みを行い,MPP重合膜堆積基盤側を6軸PC制御の自動走査機に結合し,パターンや文字の描画ができる最適条件を見出し,自動化・工業化への道を拓いた.
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