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2006 年度 実績報告書

制限空間内水溶液の特殊な物理化学的性質が蛋白質の折れ畳に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 18031003
研究機関弘前大学

研究代表者

斎藤 稔  弘前大学, 理工学部, 教授 (60196011)

研究分担者 岡崎 功  弘前大学, 理工学部, 講師 (60332491)
キーワードシャペロニン / フォールディング / 拡散係数 / 回転拡散係数 / 分子動力学シミュレーション / 構造変化
研究概要

シャペロニンは内部空洞に蛋白質を閉じ込めて、蛋白質の折れ畳を手助けする。本研究では、シャペロニンを巨大な水球に浸した系の分子動力学(MD)シミュレーションを実施することによって、シャペロニンの内部空洞、すなわち制限空間内の水溶液が蛋白質の折れ畳に与える影響を、その水溶液の物理化学的な性質をもとにして調べる。初年度は、MDシミュレーションのための初期構造の準備、カウンターイオンの配置、全系の平衡化の途中まで、水の拡散係数のプレリミナリーな解析、セットアップの検証などを行った。具体的には以下の成果を得た。シャペロニンの初期構造(GroEL-GroES-ADP)を、X線結晶構造(PDB-ID 1SX4)をもとに構築した。これには系全体を中性にするための259個のNaイオンを含む。電位の低いアミノ酸周囲に適切にイオンを配置しなくてはならないが、MDシミュレーションによる電位計算とイオン再配置を何度も繰り返すことで配置を決定できた。初期構造は低温の状態からMDシミュレーションをスタートさせ、徐々に温度を上げて300Kとし、現在170psまで平衡化を終えた。この段階で、シャペロニンの主鎖全体のRMSDは約2.5Åとなった。シャペロニン内部空洞及びバルクの水分子について、プレリミナリーに拡散係数を求めた結果、フタであるGroESをはさんで、バルク側と内部空洞側の拡散係数は比較的小さかった。一方、内部空洞の中心付近の水分子はバルクの水分子と同等の拡散係数をもつことがわかった。MDシミュレーションに伴う構造変化を詳しく調べたところ、ほとんどのアミノ酸残基は結晶構造に近い構造を保つが、ずれの大きいアミノ酸配列の部分がいくつか見つかり、いずれも頂点ドメイン内に含まれていることが分かった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] ns molecular dynamics simulation of hemoglobin in water by vectorizing and parallelizing COSMOS90 on the Earth Simulator : dynamics of tertiary and quaternary structures2007

    • 著者名/発表者名
      M.Saito, I.Okazaki A 45
    • 雑誌名

      J.Comput.Chem. 28

      ページ: 1129-1136

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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