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2007 年度 実績報告書

ナノ開口基板を用いたシャペロニンGroELの1分子機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 18031008
研究機関東京大学

研究代表者

上野 太郎  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教 (80376590)

研究分担者 谷井 孝至  早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (20339708)
島本 直伸  早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (50386629)
キーワードシャペロニン / ナノ開口基板 / 1分子蛍光イメージング / 協同性
研究概要

本研究では、シャペロニンGroELの両側に2個のGroESが同時に結合したFootball型複合体(FB)の有無を明らかにし、1分子解析を通じてそのタイミングを明らかにしようとしている。今年度、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を指標にすることで、蛍光分光器を用いてGroELとGroESの結合率の測定に成功し、1)FBは、反応サイクルの約40%で形成されている2)GroELへ2個目のGroESが結合できるのは、GroESが約300nM以上になったときである2)FBの形成率は、ADPにより著しく阻害される3)ATP加水分解が非常に遅い変異GroEL(D398A)はFBを形成する ことを明らかにし、従来の反応サイクルのモデルを大きく訂正する必要性を示した(Sameshima et.al.,投稿中)。さらにFBの形成過程を詳細に理解するため、昨年度開発したナノ開口基板を用いて、500nM蛍光標識GroESと4.5uM無標識GroES存在下でGroELとの結合解離反応を1分子解析した。蛍光分光器の実験結果から、大腸菌内の発現濃度と同じ約5μMのGroES存在下ではFBが形成されることが分かっている。事前の予想とは異なり、GroELとGroESの結合時間は、FBが形成されない20nM GroES存在下での1分子解析の結果と同じであった。そこで、FBが形成される様子を直接可視化するため、500nM Cy3-GroESと500nM Cy5-GroES存在下で、ナノ開口基板上に固定されたGroELへの相互作用を観察した。ほとんどの場合、両側のリングにGroESが交互に結合解離を繰り返していたが、同時にCy3-GroESとCy5-GroESが結合している状態も観察された。現在、その詳細を解析している。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Rapid Multi-reagents Exchange TIRFM Microfluidic system for a Single Biomolecular Imaging2007

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Arakawa
    • 雑誌名

      Sensor and Actuator B 128

      ページ: 218-225

    • 査読あり
  • [学会発表] 人工ホットスポットを用いたSAM膜のラマン検出2008

    • 著者名/発表者名
      柳沢雅広
    • 学会等名
      第55回応用物理学会
    • 発表場所
      日本大学船橋キャンパス
    • 年月日
      2008-03-29
  • [学会発表] ナノ開口基板を用いたシャペロニンの1分子機能解析2007

    • 著者名/発表者名
      上野太郎
    • 学会等名
      第45回日本生物物理学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2007-12-23
  • [学会発表] 古細菌型シャペロニンの1分子構造変化計測2007

    • 著者名/発表者名
      飯塚怜
    • 学会等名
      第45回日本生物物理学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2007-12-22
  • [学会発表] GroELのC末端欠損変異はATP加水分解反応を遅くする2007

    • 著者名/発表者名
      鈴木深保子
    • 学会等名
      第45回日本生物物理学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2007-12-21
  • [学会発表] ADPが対称型1:2GroEL-GroES複合体の形成を阻害する2007

    • 著者名/発表者名
      鮫島知哉
    • 学会等名
      第45回日本生物物理学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2007-12-21
  • [学会発表] 古細菌型シャペロニンの1分子構造変化計測2007

    • 著者名/発表者名
      飯塚怜
    • 学会等名
      第80回日本生化学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2007-12-13
  • [学会発表] ADPがGroELのtransリングへのATPの結合を阻害することにより2個目のGroESが結合できなくなる2007

    • 著者名/発表者名
      鮫島知哉
    • 学会等名
      第80回日本生化学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2007-12-13
  • [学会発表] GroELのC末端欠損変異はATP加水分解反応を遅くする2007

    • 著者名/発表者名
      鈴木深保子
    • 学会等名
      第80回日本生化学会
    • 発表場所
      パジフィコ横浜
    • 年月日
      2007-12-13
  • [図書] ナノバイオ計測の実際(第12章担当)2007

    • 著者名/発表者名
      上野太郎
    • 総ページ数
      13
    • 出版者
      講談社サイエンティフィク

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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