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2006 年度 実績報告書

溶液中の拡散に対する溶質と溶媒分子の相互作用の効果

研究課題

研究課題/領域番号 18031027
研究機関九州大学

研究代表者

吉森 明  九州大学, 理学研究院, 助教授 (90260588)

キーワード化学物理 / 統計力学 / 溶媒和 / 液体論 / 非平衡
研究概要

1.大きい粒子の拡散:山口らが開発した拡散係数を計算する理論[Yamaguchi et al.2005]を具体的な系に応用して計算するために、溶質の大きさが大きい極限を計算した。溶質と溶媒として、単純液体を考える。溶質分子の中心で溶媒との相互作用が発散すると仮定し、それ以外は特異性が無いとした。その結果、溶質の外では、非圧縮流体のナビエストークス方程式が導けた。また、溶質の表面での境界条件は、表面にそった速度場が0になるステック条件でも、一回微分が0になるスリップ条件でもない、その中間のものになった。
2.単純液体による混合溶媒の溶媒和ダイナミックス:時間依存の密度汎関数法と線形のモデルを2成分単純液体の溶媒和ダイナミックスに応用した。1成分の相互作用だけを変えた場合、溶質と強く相互作用する溶媒のモル分率を減少させると、動的密度汎関数法では時定数が増加した。この単調な増加は実験結果と一致している。しかしながら、線形モデルではこの増加は得られなかった。両方の成分の相互作用を変化させた場合は、溶媒のモル分率を変えると、時定数にピークが現れた。このピークは、線形モデルより、動的密度汎関数法で得られた方がはるかに高い。
3.量子液体における拡散極限の理論:射影演算子法により量子液体のカノニカル相関を計算する理論を開発した。この理論を使って、セントロイド分子動力学とリングポリマー分子動力学を、運動量の緩和が速いという条件で研究した。これらの分子動力学は、運動量の緩和の時定数が厳密なものと一致すれば、正しいカノニカル相関関数を与える事が分った。セントロイド分子動力学によって計算されたせん断粘性率が実験と良く一致する事から、量子液体において運動量の緩和が充分速い事が予想できる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Nonlinear effects on solvation dynamics in simple mixtures2006

    • 著者名/発表者名
      Shuhei Murata, Akira Yoshimori
    • 雑誌名

      The Journal of Chemical Physics 125

      ページ: 244501

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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