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2006 年度 実績報告書

中性子散乱実験と分子動力学計算による蛋白質ーDNA認識機構における水の挙動解析

研究課題

研究課題/領域番号 18031042
研究機関独立行政法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

河野 秀俊  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (40291918)

研究分担者 中川 洋  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 博士研究員 (20379598)
米谷 佳晃  独立行政法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究職 (80399419)
キーワード水和 / DNA / 構造変形 / 分子動力学計算 / タンパク質-DNA相互作用
研究概要

1.配列パターンと構造変形のしやすさ
12塩基対のDNA配列の真中の4塩基対をすべての配列パターン136通りに置き換えて分子動力学計算を行ない、各々について10nsec間サンプルした構造を解析した。DNA構造を簡略的に表現するために、塩基対を剛体として扱い、6自由度で構造を表現した(6つのステップパラメータ)。各パラメータの分布の平均値は、X線結晶構造解析から得られたパラメータの分布の平均値によく一致した。分布め広がりでは、実験と計算で非常に良い相関を示した。すなわち、分子動力学計算により、DNAの構造変形のしやすさと配列の関係を推定できることを示している。そこで、分子動力学計算でサンプルされた構造を4塩基対間で比較したところ、真中がピリミジン・プリンの配列は前後の塩基種により構造変形の程度が大きく異なることがわかった。逆に、プリン・ピリミジンの場合は、前後の塩基種によらないことがわかった。
2.水和の構造と主溝、副溝の幅
これまで、AATT配列等の副溝に水のスパイン構造が見られることが知られていた。今回の解析により、副溝に形成される水和(正確には、異なる鎖に属する塩基間の水のブリッジ)の形成率と主溝、副溝の幅の関係を定量的に明らかにした。水がブリッジした状態では、副溝は5Åの幅に保たれるが、水がなくなると10Åまで副溝が開き大きな構造変形が起こる。水のブリッジは、AATT配列では非常に安定(形成率〜100%)であるが、TTAA配列では不安定(形成率〜1%)であることがわかった。
また、ブリッジ形成率とDNAの構造変形のしやすさには高い相関が見られた。これは、蛋白質のDNA配列認識において水和が重要で、DNAの構造変形しやすさの情報がDNA配列と副溝の水和によって特徴づけられることを意味する

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] DNA deformability and hydration studied by molecular dynamics simulation.2007

    • 著者名/発表者名
      Yonetani, Y., Kono, H., Fujii, S., Sarai, A., Go, N.
    • 雑誌名

      Molecular Simulation 33

      ページ: 103-107

  • [雑誌論文] Liquid water simulation : A critical examination of cutoff length2006

    • 著者名/発表者名
      Yonetani, Y.
    • 雑誌名

      J. Chem. Phys 124

      ページ: 204501-12

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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