研究課題/領域番号 |
18032005
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小林 淳一 北海道大学, 大学院薬学研究院, 教授 (90221241)
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研究分担者 |
津田 正史 北海道大学, 大学院薬学研究院, 助教授 (10261322)
久保田 高明 北海道大学, 大学院薬学研究院, 講師 (60399954)
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キーワード | アクチン / チューブリン / 分子標的 / 天然資源 / リード化合物 |
研究概要 |
本研究では、広範な天然資源を素材として、アクチンやチューブリンといった細胞骨格系蛋白の重合・脱重合を阻害する天然分子を探索し、新しい癌治療薬等のリード化合物を見い出す目的で研究を行った。また、これまでに研究代表者らが見い出した細胞毒性物質の分子標的を明らかにする研究も合わせて行った。 その結果、アクチンファイバーの安定化促進作用を有する渦鞭毛藻由来マクロリド化合物・アンフィジノリドHの関連化合物として、アンフィジニンBおよびアンフィジノラクトンAを単離、構造決定した。また、ホヤより得られた強力な殺細胞活性を示すマクロリド化合物・イエジマリド類は、V-ATPaseに対し顕著な阻害活性を示し、その阻害作用の強さはパフィロマイシンにほぼ匹敵することが明らかとなった。イエジマリド類には破骨細胞にアポトーシスを誘起させる作用が認められており、骨粗鬆症に対しても有用なリード化合物として期待される。また、放線菌より単離したテルペノイド化合物・ブラシリカルジンAは、マウス混合リンパ球反応(MLR)において顕著な免疫抑制活性をし、その活性の強さは免疫抑制剤・シクロスポリンやFK506にほぼ匹敵することが明らかになった。ブラシリカルジンAの作用機序はシクロスポリンやFK506とは全く異なり、アミノ酸輸送体System Lの細胞増殖に必要なアミノ酸の取り込みを阻害することにより、初期免疫反応に必要なT細胞の急速な増殖を阻害することが明らかになった。
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