研究課題/領域番号 |
18032023
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾崎 博 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (30134505)
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研究分担者 |
堀 正敏 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (70211547)
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キーワード | γ-オリザノール / 腸炎 / NFκB / マクロファージ / シクロアルテニルフェルレート / リポポリサッカライド |
研究概要 |
本年度は、米糠に含まれるフェルラ酸エステル誘導体(γ-オリザノール)が抗炎症作用を持つか否かをRAW264.7マクロファージ細胞株ならびに、デキストラン硫酸誘発大腸炎モデルマウスを用いて解析し、以下の成績を得た。解析には、γ-オリザノールとその主成分であるシクロアルテニルフェルレート(CAF)を精製して用いた。 (1)RAW264.7マクロファージ細胞株を用いたLPS刺激による炎症メディエーター発現に対するフェルラ酸エステル誘導体の作用 RAW264.7マクロファージをLPS(1μg/ml)で刺激するとiNOS、COX-2、IL-1βの発現が誘導された。γ-オリザノールはiNOS、IL-1β、COX-2のmRNA発現を有意に抑制した。また、CAFについても同様の抑制作用を示した。ゲルシフトアッセイによるNFκB活性に対するCAFの効果について解析したところ、CAFはLPSによって活性化するNFκB活性を有意に抑制した。 (2)デキストラン硫酸誘発大腸炎モデルマウスを用いた腸炎に対するフェルラ酸エステル誘導体の作用 C57BL6Jマウスに1%デキストラン(DSS)硫酸を自由飲水させると、飲水開始後3-4日目より血便、軟便、体重減少などをスコアー化したDisease activity intdex(DAI)値の上昇が認められ、飲水開始後16日まで日を追って増加した。また、HE所見では粘膜部への炎症細胞の浸潤や粘膜の脱落、筋層の肥厚などが認められた。γ-オリザノール(30mg/kg/day)をDSS硫酸自由飲水開始二日前より経口投与することにより、DAI値は低下し、HE所見においても炎症像の顕著な抑制が認められた。 以上の成績から、γ-オリザノールはNFκBの活性を抑制することにより、炎症応答を抑制し、大腸炎の病状を軽減させる可能性が示唆された。
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