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2006 年度 実績報告書

ノルゾアンタミンの物性および作用機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18032025
研究機関東京大学

研究代表者

福沢 世傑  東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (40321806)

キーワードノルゾアンタミン / 骨粗鬆症 / スナギンチャク / アルカロイド / 骨芽細胞 / コラーゲン / 間葉系幹細胞 / 保護材
研究概要

奄美大島産未同定スナギンチャク(Zoanthus sp.)由来アルカイド、ノルゾアンタミンの塩酸塩を閉経後骨粗鬆症モデルである卵巣摘出マウスへ投与すると、骨重量、骨強度の低下を強力に抑制する。これまでの予備的実験から骨吸収より骨形成の方に作用している可能性が示唆されたので、多分化能をもつマウス由来間葉系幹細胞C3H/10T1/2を目的に応じて分化誘導を行い、作用機序についての情報を取得する方針で研究を進めた。C3H/10T1/2は骨芽細胞や軟骨細胞に分化する能力があり、そこヘノルゾアンタミンを添加し、分化の様子を調べた。はじめに細胞形態および増殖速度を観察したが、どちらもノルゾアンタミンの添加で変化した様子は見られなかった。次に、脂肪細胞への分化については有意な差が見られなかったことより、骨芽細胞への分化をより促進する作用を示した。また細胞内の総タンパク量を定量したところノルゾアンタミンの投与濃度に比例して増大していた。ノルゾアンタミン投与の有無によって細胞の増殖に変化は見られなかったことより、この結果は細胞一個あたりのタンパク量が増大していることを意味している。骨は約70%のミネラルと約20%のタンパク質によって構成され、そのうちの約90%がコラーゲンである。コラーゲンの定量実験より低濃度のノルゾアンタミン投与でコラーゲン量の増大が観察されたため、ノルゾアンタミンはコラーゲンの分泌促進もしくは内在性プロテアーゼによる分解を抑制している可能性が考えられる。コラーゲンにノルゾアンタミンを共存させると紫外線照射による酸化的分解に耐性を示すことからノルゾアンタミンはコラーゲン表面を広く覆うような形でゆるく相互作用することで外的刺激による分解を防ぐ一種の保護材のような働きをすると考えられる。そして報告されている骨強度および骨密度増大作用はコラーゲンの補強にその根拠の一つを与えた結果となった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Combination of mixed self-assembled monolayer and matrix-assisted laser desorption/ionization mass spectrometry, a simple tip-based screening method for proteomics.2006

    • 著者名/発表者名
      Fukuzawa S., Asanuma M., Tachibana, K., Hirota, H.
    • 雑誌名

      J. Mass. Spectrom. Soc. Jpn. 53

      ページ: 187-193

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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