研究課題
キノコを対象に、特異なバイオアッセイ系を用いて、優れた治療薬・予防薬の少ない疾病に標的を絞って、新規活性物質の探索を行った。1)抗MRSA物質:強力な抗MRSA物質の単離、構造決定、作用機構の解明を目的とした。その結果、ヤマブシタケ、オオシロアリタケ、ハナビラタケ、コウモリタケより新規活性物質の単離・精製に成功した。2)抗真菌物質:Candida albicancsの形態変化(酵母形から菌糸形)を阻害する活性を測定するという新しいアプローチによって、数種のキノコから活性を見いだした。本研究では、オオシロアリタケ、コウモリタケより新規活性物質の単離・精製に成功した。3)致死性毒物質:2004年秋、原因不明の急性脳症で17名の死者が出た。その全員がスギヒラタケを食べていた。このキノコにマウスに致死活性を有する物質が含まれていることを見いだした。本研究では神経細胞に毒性を示す数種の新規アミノ酸の単離、精製に成功した。4)抗アレルギー物質:メシマコブ抽出物の経口投与によってIgEの産生が抑制され、肉眼的にも皮膚アレルギーが抑制されることを見いだした。本研究では、抗アレルギー活性の本体の単離・精製、構造決定、活性発現機構の解明を目指した。現在、活性物質の精製を試みている。5)破骨前駆細胞分化抑制物質:骨は新陳代謝が繰り返されて、その過程で破骨前駆細胞が破骨細胞に分化する。この分化を阻害すれば、その物質は骨粗鬆症の治療や予防への応用が考えられる。本研究ではガルガルより新規活性物質の単離・精製に成功した。
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Biosci.Biotechnol.Biochem., 71
ページ: 1804-1806
International Journal of Medicinal Mushrooms 9
ページ: 159-161