沖縄県で採集したオオバギ、シロミミズ、マルヤマカンコノキの葉部成分の検索を行った。常法に従い、メタノール抽出物のブタノール可溶画分を用いて、配糖体の単離を試みた。その結果、多くの新規メガスティグマン配糖体の単離に成功し、その平面構造は、主に核磁気共鳴スペクトルの解析を以って行い、絶対構造の決定には、円偏光二色性スペクトルの解析、並びに加水分解後のアグリコンにモッシャー変法を適用して、化学的、スペクトル的解析を以って行った。単離した新規化合物の構造を総て決定した。 オオバギより数種のメガスティグマン配糖体を単離して、DPPHを用いたラジカル除去活性を検討したところ、幾つかに活性を見出した。それにはゴール酸が共通部分として存在し、それが活性を示す部位であると結論された。メカニズムについてはこれまでに検討されているが不明な点が多い。次いで沖縄県で採集したシロミミズの成分検索を引き続き行った。これまで多くの転移型エントカウラン型ジテルペンの配糖体を単離してきたが、今回は非糖体の単離を行った。そのうちトリカリシオライドGはX-線結晶解析を行い、構造を確定するに至った。また、エントカウレン型ジテルペンの単離にも成功し、構造決定を行ない、新規物質であったのでトリカリシオールAおよびBと命名した。シロミミズには更に多くの新規エントカウレン型ジテルペンの配糖体の含有が明らかとなり、それらの構造は現在、スペクトル解析を行い、新規化合物であるとの確信をえている。同様にマルヤマカンコノキより多くのメガスティグマン配糖体を単離した。KB細胞、ブラインシリンプを用いて抗癌活性、RBL2H3細胞を用いた抗ヒスタミン遊離活性、現在特に抗がん剤に対する多剤耐性の忌避を目的としてK562/ADM株を用いたP糖タンパク質の活性の阻害剤の探索を行っている。
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