研究課題/領域番号 |
18032062
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
酒井 敏行 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (20186993)
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研究分担者 |
曽和 義広 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (70315935)
吉田 達士 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (80315936)
与五沢 真吾 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (70381936)
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キーワード | 癌 / p53 / p16 / DR5 / TRAIL / p21 / Crytolepin / アピゲニン |
研究概要 |
アフリカ産植物由来アルカロイドのcryptolepine(CLP)が、骨肉腫細胞株に対し、p53下流遺伝子p21の発現をp53非依存的に誘導することを見いだした。CLPはp21のmRNAおよびプロモーター活性も上昇させた。CLPによるp21の発現誘導は、p21のプロモーター配列上に存在するSp1結合領域を介していることが判明した。また、CLPは骨肉腫細胞の細胞周期をG2/M期で停止して増殖抑制をさせており、この効果にp21の発現誘導が関与していると示唆された。白菜やピーマンなどに含まれるフラボノイドであるアピゲュンがDR5の発現を誘導することを見いだした。アピゲニンはDR5タンパクを安定化させる働きがあることが判明した。TRAILとアピゲニンを併用させることで、T-cell白血病Jurkat細胞に強力に細胞死(アポトーシス)を誘導することができた。牡蠣ホヤに含まれるカロテノイドhalocynthiaxanthinが大腸癌細胞において、DR5の発現を誘導し、halocynthiaxanthinとTRAILの併用は大腸癌細胞に強力なアポトーシスを誘導させた。またシジミ貝などに含まれるperidininも同様の効果を有することを明らかにした。ブロッコリーに含まれるイソチオシアネートsulforaphaneがDR5発現を誘導し、骨肉腫細胞においてsulforaphaneとTRAILを併用させることによって強力なアポトーシスを引き起こすことができた。さらに、DR5発現誘導剤としてfenretinideと15d-PGJ_2も見いだした。また、肺癌の分子標的治療薬であるZD1839(イレッサ)がp16ファミリーのp15遺伝子を発現誘導させていることを見いだした。イレッサによる細胞増殖抑制効果はp15発現誘導に依存していることを発見した。
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