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2006 年度 実績報告書

可変的骨格構築法によるガンビエロールの合成と構造活性相関研究

研究課題

研究課題/領域番号 18032079
研究機関名城大学

研究代表者

森 裕二  名城大学, 薬学部, 教授 (40121511)

キーワードポリ環状エーテル / 合成 / 神経毒 / ガンビエロール / オキシラニルアニオン / 還元的エーテル化 / ラジカル環化反応
研究概要

ガンビエロールは,食中毒シガテラの原因である有毒渦鞭毛Gambierdiscus toxicusの培養藻体から単離構造決定された海洋産ポリ環状エーテル化合物であり、マウスに対する最小致死毒性はMLD_<50>50μg/kgで強い神経毒作用を示す。最近,ガンビエロールがブレベトキシンの電位依存性ナトリウムチャネルヨへの結合を弱いながら競争阻害することも明らかにされるなど,その活性発現機構の解明に関心が持たれている。しかし,天然からは極微量しか得られないことや渦鞭毛藻の培養生産性が遅いことから,天然物による構造活性相関研究を行うことは困難な状況にある。そのため,化学合成による類縁体も含めた試料の供給が望まれている。このような背景のもと、ポリ環状エーテル神経毒ガンビエロールの合成研究を実施した。
ガンビエロールは8環性(ABCDEFGH環)のポリ環状エーテルである。昨年度の研究においてガンビエロールの左半分に相当するABCDフラグメントをD→C→B→A環の順に環を伸長させるルートにより合成した。しかし、CD環部分の合成に22工程を要したことから、本年度の研究ではより効率的なCD環構築ルートの開発を行った。その結果、D環をエポキシスルホンから発生させたオキシラニルアニオンを用いて合成したのち、ヨウ化サマリウムを用いるラジカル環化反応によってC環を構築する合成方法を確立し、15工程でCD環を合成することができた。次いで、CD環フラグメントへのB環の構築は、ビニルエポキシドへの水酸基の6-エンド閉環反応を用いて行い、次いで、ジチアンとエポキシドのカップリング反応、ヒドロキシケトンの還元的エーテル化反応などを行ってA環を構築した。本合成法によりガンビエロールのABCD環フラグメントのグラムスケールでの合成法を確立することができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] ラジカル環化反応による多置換6員環エーテルの合成2006

    • 著者名/発表者名
      平松 直樹
    • 雑誌名

      名城大学総合研究所総合学術研究論文集 5

      ページ: 17-23

  • [雑誌論文] Synthesis of the 37-epi-HIJ Ring System of Adriatoxin2006

    • 著者名/発表者名
      Naoki Hiramatsu
    • 雑誌名

      Heterocycles 69・1

      ページ: 437-446

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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