研究課題
[Cu(bpy)_2(BF_4)_2]_nの対イオンをOTf^-にした[Cu(bpy)_2(OTf)_2]_nは、水-エタノール混合溶媒系から結晶を得ることができた。本物質は2次元グリッド構造を有し、LPC同様、これが積層して3次元構造を形成することが、X線粉末回折データをリートベルト解析することでわかった。[Cu(bpy)_2(OTf)_2]_nの気体吸着等温線測定の結果、特異的な等温線が得られ、3段階の吸着プロセス及び2段階の脱着プロセスに従うと考えられた。粉末XRDデータの解析から、P/P_0<0.2における吸着では、2次元グリッドの層間隔はほぼ一定で、層内の吸着サイトに窒素分子が収まり、その後の吸着は層間隔の拡張を伴うものであることが示唆された。[Cu(bpy)_2(OTf)_2]_nでは、対イオンがOTf^-であり、LPCのBF_4^-よりもかさ高いために層間隔が長く、初期状態からN_2分子が入り込むことができるために、低相対圧での吸着の立ち上がりが観察されたものと考られる。しかしながら、更なる吸着プロセスにおいてはLPC同様、層間隔の転移的な拡張に伴って、ほぼ垂直の吸着増加が観察されたと考えてよい。このように2D層間の相互作用を担っているピラー分子である対イオンの長さや構造を変えることで、吸着挙動を制御できることが示唆された。さらにアセトニトリル溶媒を用いることで[Cu(bpy)_2(OTf)_2]_nの金属イオンをCu^<2+>からCo^<2+>に変化させ、結晶を得ることができた。この場合、77Kにおける窒素吸着等温線は[Cu(bpy)_2(OTf)_2]_nのものに似通っており、多段階吸着を示した。しかしながら、詳細な構造は決定できておらず、2次元配位空間を有するかどうかは明らかではない。今後構造解析を進め、2次元配位空間を有するかどうかを確認する予定である。その他に、{[Cu(H_2O)_4Cu(azpy)_2(OTs)_2(H_2O)_2]・2(OTs)・2H_2O・2EtOH}_nを得たが、2D結晶ではなく1D結晶であり、気体吸着量は多くなかった。しかし、有機蒸気に特異な吸着現象を示すことを明らかにした。
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