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2006 年度 実績報告書

放射光構造解析法を用いた光誘起活性分子の構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 18033047
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

鳥海 幸四郎  兵庫県立大学, 大学院物質理学研究科, 教授 (90124221)

研究分担者 小澤 芳樹  兵庫県立大学, 大学院物質理学研究科, 助教授 (40204200)
満身 稔  兵庫県立大学, 大学院物質理学研究科, 助手 (20295752)
キーワード放射光構造解析 / 光励起状態 / 結晶相光誘起反応 / 微小結晶構造解析 / ロジウム二核錯体
研究概要

無限鎖構造をとる発光性の銅(|)錯体[CU_2I_2(PPh_3)_2(4,4'-bpy)]にっいて、X線構造解析から光励起に伴う分子構造変化を明瞭に観測した。今回、類似構造をとる発光性の[Cu_2I_2(PPh_3)2(pyz)]_∞について、SPring-8 BL02B1の低温真空X線カメラを用いて、時分割IP多重露光法により光励起構造解析を行った。光照射に伴う反射強度変化の測定は、単結晶を27Kに冷却し、励起光としてHe-Cdレーザー光(442nm)を用いて測定した。光照射時の温度上昇の影響を補正した(|Fon|-|Foff|)を係数とした差フーリエ合成図を計算したところ、{CU_2I_2}ユニットの面上で銅原子とヨウ素原子近傍に有意な電子密度の山と谷が観測された。両者の差フーリエ合成図を比較すると、銅原子とヨウ素原子近傍の山と谷はほぼ類似しており、光照射に伴う構造変化が有意なものであることを強く示唆している。
室温で結晶に光照射するとμ-O_2SSO_2からμ-OSOSO_2へ異性化するロジウム二核錯体[(Cp^*Rh)_2(μ-CH_2)_2(μ-O_2SSO_2)](Cp^*=C_5Me_5)の結晶相反応について、光照射の温度や光照射後の温度条件によって生成する構造異性体の比率がどのように時間変化するかを単結晶X線解析法により解析し、光反応と熱反応の相関の解明を試みた。光異性化した生成物は4つの末鎖酸素原子のうちの1つが硫黄原子を架橋した構造をとるため4種類の構造異性体が考えられるが、110Kで光照射したところ4つの異性体の生成比は時間とともに増加し、全異性化率は約90%に達した。引き続き同じ試料を室温の暗所に放置し、異性体比率の時間依存性を解析したところ、S-O結合の切断を伴わない異性化のみが起こることが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Direct Observation of Photochromic Dynamics in Crystalline-State of an Organorhodium Dithionite Complex2006

    • 著者名/発表者名
      H.Nakai
    • 雑誌名

      Angew. Chem. Int. Ed. 45

      ページ: 6473-6476

  • [雑誌論文] Isostructural Coordination Capsules for a Series of 10 Different d^5-d^<10>. Transition Metal Ions2006

    • 著者名/発表者名
      S.Hiraoka
    • 雑誌名

      Angew. Chem. Int. Ed. 45

      ページ: 6488-6491

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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