研究概要 |
ナノ空間のポテンシャル制御に基づく高効率な物質移動・変換および界面電子移動系を開発し、以下の研究成果を得た。1)キラルパラジウムナノクラスターによる不斉鈴木-宮浦カップリング反応:鈴木-宮浦クロスカップリング反応を用いて軸不斉を有するビアリール化合物を合成する研究も行われているが、反応収率や不斉収率等の向上が難しく多くの課題が残されている。そこで我々は、キラル金属ナノクラスターを用いる不斉鈴木-宮浦カップリング反応について検討した。光学活性2,2'-bis (diphenylphosphino)-1,1'-binaphthyl (BINAP)修飾パラジウムナノクラスターを用いて不斉鈴木-宮浦クロスカップリング反応を行ったところ、室温という温和な条件で、高収率でカップリング生成物を得た。光学活性パラジウムナノクラスターを用いる不斉鈴木-宮浦ガップリング反応は初めての例である。2)金属ナノクラスター・ポリマーナノチューブ複合体:チオフェンやピロールの基本骨格からなるナノ空間を有するポリマーナノチューブの構造と性質、機能化(不斉現象も含め)に関する研究は未開拓分野である。我々は、陽極酸化ポーラスアルミナをテンプレートとしてターチオフェン修飾金属ナノクラスターの電解重合から導電性ポリマー金属ナノクラスターナノチューブ複合体が合成できることを明らかにした。
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