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2007 年度 実績報告書

放射光単結晶解析によるフラーレンケージに閉じ込められたガス分子の直接観測

研究課題

研究課題/領域番号 18033060
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

澤 博  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (50215901)

キーワード放射光X線解析 / 単結晶構造解析 / 電子密度解析 / フラーレン / 水素分子
研究概要

本研究ではガス分子内包フラーレンの構造物性研究を放射光X線回折実験により行った。C_<60>は室温付近では自由回転をしており,原子位置を含めた解析は難しいが,250K以下では一軸のラチェット回転型の自由度のみに限定されるため,二つのC_<60>方位に限定する占有率を含めた構造解析を行うことが可能である。精密な格子定数の測定によって,Ar元素が内包されたときに見られた転移温度以下での熱膨張係数の空のC_<60>結晶との差は,水素分子の場合には見られず内包の影響が極めて小さいことがわかった。水素内包C60の内包純度を中圧クロマトによって99.9%以上に高め,この原料を用いて単結晶試料を作成した。この単結晶試料及び空のC60の単結晶試料の両方について精密な解析を行った。
この結果,過去に報告のなかった単結晶C60の精密構造解析に加えて,内包状態を正確に見積もることが可能な電荷密度解析にも成功した。この結果,水素分子の場合には空の場合と炭素骨格の結合長や結合角度などが誤差の範囲以内で一致しており,さらにC60ケージ間の配置についても水素内包の影響が認められないことが明らかとなった。このことは,Ar内包の場合とは異なっていることから,内包ガスの分子種によってRb,Kをドープした超伝導体の転移温度の影響が大きく異なることが説明可能となった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Superconductivity of doped Ar@C602007

    • 著者名/発表者名
      K. Yakigaya, A. Takeda, Y. Yokoyama, S. Ito, T. Miyazaki, T. Suetsuna, H. Shimotani, T. Kakiuchi, H. Sawa, H. Takagi, K. Kitagawa, N. Dragoe
    • 雑誌名

      New Journal of Chemistry 31

      ページ: 973-979

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Manganese (III, IV) and Manganese (I, II) Oxide Clusters Trapped by Copper (II) Complexes2007

    • 著者名/発表者名
      S. Yamashita, T. Shiga, M. Kurashima, M. Nihei, H. Nojiri, H. Sawa, T. Kakiuchi, H. Oshio
    • 雑誌名

      Inorganic Chemistry 46(10)

      ページ: 3810-3812

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Relation between superconductivity and superstructure in Ce_2RhIn_82007

    • 著者名/発表者名
      M. Koeda, T. Fujiwara, M. Hedo, Y. Uwatoko, H. Sagayama, Y. Wakabayashi, H. Sawa,
    • 雑誌名

      Journal of Magnetism and Magnetic Materials 310(2)

      ページ: e31-e32

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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