本研究の目的は、アイソトープを使って中性子ビームをつくり、様々な遮蔽材の中性子遮蔽効果と様々な測定器の中性子に対する応答を調べることである。 2006年度は、中性子ビーム作りの為の準備を行なった。まず中性子線源として、^<252>Cf(カリフォルニウム)、中性子及びガンマー線源として、^<243>Am-Be(アメリシウム-ベリリウム)という2種類のアイソト-プ線源を所定の手続きに従って日本アイソトープ協会より購入した。そして、線源周辺を囲む、パラフィン、^<10>B(ボロン)入りアルミ板、無酸素銅板、鉛板などの材料を、一部は購入し残りは手持ち材料を捜すという形で、準備した。更に、コリメータ-材料として、上記の材料に加えて、W(タングステン:実際はヘヴィーメタルと呼ばれるタングステン合金)を購入した。ビ-ム軸上に設置し、ビーム中の蒸発中性子(速中性子)とγ線、それに熱中性子という3種の放射線の割合を変化させるアブゾーバーは、大きさは小さいので、これまで準備したこれらの材料から加工することになる。一方で、調査する測定器としては、プラスチックシンチレータと鉛からなるサンプリングカロリメーターと純CsI結晶からなるカロリメーターという典型的な2種を整備した。 必要な材料はそろったので、2007年度には、遮蔽材による中性子遮蔽効果と測定器の中性子に対する応答を調べるという本題にとりかかる。
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