研究課題
今年度はプラズマCVDダイヤモンド合成装置を整備したうえで、単結晶ダイヤモンド合成に関して世界トップレベルの技術を持つ研究協力企業ならびに機関の支援のもと、電荷捕獲の少ない理想的ダイヤモンド単結晶バルクの合成を目指して開発を行っている。2年間の開発期間中の目標として、放射線に対して感度のあるダイヤモンド単結晶の合成を目指しており、現在、セキテクトロン製AX5250-Sの整備が完了し最初のダイヤモンド合成を開始した。合成においては高純度原料ガスの使用は当然の事として、不純物となる窒素の混入を徹底的に低減するため試料交換等の作業もAr雰囲気下で行っている。初回の合成で100μm程度の透明なダイヤモンドの合成に成功した。合成したダイヤモンドのラマン分光スペクトルを測定した結果、ダイヤモンド特有の1330cm-1に鋭いピークが観測された。ピーク半値幅は4.5cm^<-1>であり、基板に使用した高圧高温合成Ib型ダイヤモンドの値5.3cm^<-1>よりも改善されている。微分干渉顕微鏡で合成したダイヤモンドを観察したところ、周辺部分と中心付近に多結晶体が成長しているものの9割方単結晶が成長していることが明らかとなった。今後、合成条件を段階を踏んで改善し、次年度は放射線に対して感度のあるCVDダイヤモンド単結晶の合成を実現したいと考えている。また前年度に引き続き合成したダイヤモンドの評価手法の開発として結晶中の電荷キャリア移動速度測定装置の改良ならびに電荷捕獲準位の測定手法の開発を継続した。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (2件)
Diamond and Related Materials (In press)