研究概要 |
損失アルファ粒子計測器は,シンチレータの発光位置を計測することで,磁力線に対するピッチ角とエネルギーを同時に得ることが可能である.シンチレータの発光像をリレーレンズとファイバー束を介してCCDカメラにより計測する. 1.耐熱,耐放射線蛍光体の開発:核燃焼プラズマ計測の要求を満たすいくつかの蛍光体候補を選定した.蛍光体(Ag:ZnS, Ce:Y_3Al_5O_<12>)に関して加速器を用いたイオン照射とそれによる損傷に関して調査を開始した.主に3種類((a)高温用無機バインダーにより金属基板に塗布したCe:Y_3Al_5O_<12>,(b)金属基板に直接塗布したAg:ZnS,(c)多結晶無機Ce:Y_3Al_5O_<12>)の試料に関して,発光強度のビーム電流依存性,温度依存性,照射損傷特性を測定した.中性子とガンマ線に対する照射損傷特性を調べた.未照射試料(c)に関し12時間照射(8.9×10^<17>n/m^2/s),48時間照射(9.6×10^<17>n/m^2/s)のラビット照射を行った. 2.損失アルファ粒子検出器の真空容器内の設置位置の検討:損失アルファ検出器は粒子損失位置に設置することが重要である.損失位置を決定するために,粒子軌道を追跡した.今後,リップル磁場やブランケットモジュール等の3次元構造を考慮し,詳細な検出器設置位置の決定が必要である. 3.光伝送のための光学設計と検出系:シンチレータ光の受光系の設計は検出器の性能を大きく左右する.ITERでは真空容器壁近傍で光ファイバーを使用することは困難である.従って,ブランケットモジュール内はコーナー部にミラーを設置し,ポートプラグ部まで光を伝送する.光学系の設計と光学コンポーネントの選定は検出器の設置位置に大きく依存するため,より慎重な調査を行う予定である. 4.LHD実験:アルフベン固有モードに同期したバースト信号の観測に成功した.
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