研究課題/領域番号 |
18037040
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
笹井 宏明 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (90205831)
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研究分担者 |
滝澤 忍 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (50324851)
鬼塚 清孝 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (10244633)
鈴木 健之 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (10262924)
松井 嘉津也 大阪大学, 産業科学研究所, 特任助手 (70397751)
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キーワード | スピロ / イソオキサゾリン / イソオキサゾール / 二重活性化 / 有機分子触媒 / コンビナトリアル / aza-MBH / タンデム反応 |
研究概要 |
適切な反応促進ユニットをキラルな骨格へ導入することで"相乗的活性化効果"を生み出す不斉触媒の創製研究を行った。具体的には、剛直なスピロ骨格に、イソオキサゾリン、イソオキサゾールおよびイミダゾールを導入した不斉スピロ型配位子のコンビナトリアル合成を行った。それら配位子を用い、医薬品合成原料に有用な光学活性ヘテロ環化合物の効率的合成法を確立した。また、α,β-不飽和カルボニル化合物とイミンとの炭素-炭素結合形成反応であるaza-Morita-Baylis-Hillman (aza-MBH)反応に有効なブレンステッド酸-ルイス塩基型不斉有機分子触媒の開発に成功した。 (1)マロン酸誘導体に様々なアルケニル基やアルキニル基を導入することでスピロイソオキサゾリン/イソオキサゾール配位子のコンビナトリアル合成を展開した。今回、合成した光学活性スピロ型配位子は、既に開発しているスピロビスイソオキサゾリン配位子(SPRIX)と同等もしくは選択的に二環式化合物を与えた。また、高エナンチオ選択的に二環式化合物を与えた。 (2)二重活性化能を有する触媒研究の新展開として、aza-MBH反応に有効な二重活性化能を有する有機不斉分子触媒の開発研究を行った。本反応に有効な有機不斉分子触媒を構築するには、基質であるα,β-不飽和カルボニル化合物を活性化する酸性および塩基性部位の不斉骨格への適切な位置への導入が重要と考えられる。結果、光学活性1,1'-bi-2-naphthol (BINOL)の3位からスペーサーを介してルイス塩基であるホスフィンユニットを導入した有機分子触媒の開発に成功した。ブレンステッド酸として働くフェノール性ヒドロキシ基を保護すると活性および不斉収率の低下が見られることから2つのフェノール性ヒドロキシ基が必須であることが示唆された。
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