Kaminskiらにより、ジルコノセンに過剰量のメチルアルミノキサンを加えた触媒系が高いエチレン重合活性を示すことが見出されたことを契機とし、オレフィン重合触媒となる有機金属錯体の研究が活発に行われできた。特に、金属錯体の分子構造により、立体規則性や分子量といった、ポリマーの物性を大きく左右するミクロ構造を制御できることが大きな利点である。C_1対称バーフメタロセン型錐体にホる立体選採的オレフィン重合は、アミジナート配位子を有するハーフメタロセン型錯体のみしか報告されておらず、その構造とオレフィン重合触媒性能の関係について、十分な情報が得られているとはいえない。そこで、C_1対称なハーフメタロセン型錯体を形成することができ、種々の置換基をイミン窒素上に導入することができるイミノピロールを支持配位子とする4族金属錯体を合成し、その構造とオレフィン重合触媒性能について検討した。これまでに、イミノピロリル配位子を有するハーフメタロセン型ハブごウム錯体の合成と構造、およびそのオレフィン重合触媒性能について検討してきた。平成18年度は、ハーフニウムのトリメチル錯体とイミノピロリル配位子との反応によりジメチル錯体1を合成し、得られた錯体を用いて、1-ヘキセンの重合反応を行った。0℃以下で重合反応を行った場合、得られたポリマーの分子量分布が狭く、リビング性を有していることを見出してきた。さらに、アミノピロリル配位子を有するチタン錯体が高い活性を示すことかち、アミノビロリル配位子を有するバーフメタロセン型モノアルキルチタン錯体を合成し、その重合触媒性能について検討し、[ph_3C][B(C_6F_5)_4]とトリイソブチルアルミニウムを組み合わせた助触媒を用いた場合、高いエチレン重合活性を示すことを見出した。このように、モノアルキル錯体が重合触媒箭駆体となる新規触媒活性化法を開発することができた。
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