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2006 年度 実績報告書

炭素ー水素結合切断を伴う触媒的芳香族カップリング:複素環化合物のマルチアリール化

研究課題

研究課題/領域番号 18037043
研究機関大阪大学

研究代表者

三浦 雅博  大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (20183626)

キーワード炭素-水素結合切断 / 芳香族化合物 / 複素環化合物 / アリール化 / 錯体触媒
研究概要

本課題は、最近申請者がその開発に重点的に着手している、遷移金属触媒を用いたC-H結合ならびにC-C結合切断を伴う芳香族カップリングに関する研究を展開し、芳香族複素環化合物に複数のアリール基を連続的に効率よく導入する方法の開発を行おうとするものである。交付申請書に記したように、まず、含硫黄複素環の代表例として配位性官能基をもついくつかのチオフェン誘導体を合成し、芳香族臭化物とのパラジウム触媒カップリングを検討した。その結果、3位C-H結合をマスクした、3-(チエニル)ジフェニルメタノールの反応において、2位と3位がそれぞれC-HおよびC-C結合切断を伴うアリール化を受け、2,3-ジアリールチオフェンが生成すること、およびさらに反応を続けると5位へのアリール基導入が起こり、2,3,5-トリアリールチオフェンが生成することを見出した。また、この反応では、ジアリール化とトリアリール化をうまく制御でき、第三級ホスフィン配位子として一般的なトリフェニルポスフィンを用いるとトリアリール化がうまく進行するのに対し、ビフェニル(ジ-tert-ブチル)ボスフィンのようなかさ高いものを用いるとジアリール化の段階で選択的に止めることが可能であることが明らかとなった。ベンゾチオフェンの3位ジフェニルメタノール誘導体や2位アミド誘導体では、その構造による制限ため、C-HおよびC-C結合切断を伴う2,3位ジアリール化が効率よく進行した。一方、含窒素複素環化合物としてイミダゾールやチアゾールの誘導体の反応を検討したところ、安価な銅塩存在下でC-H結合切断を伴うモノアリール化が進行する反応系を見出した。さらに生成物のパラジウム触媒反応を行うことによりジアリール化物を得ることが可能であり、これは多様な誘導体の合成に利用できる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Catalytic Direct Arylation of Heteroaromatic Compounds2007

    • 著者名/発表者名
      Satoh, T., Miura, M.
    • 雑誌名

      Chemistry Letters 36

      ページ: 200-205

  • [雑誌論文] Palladium-Catalyzed Selective 2,3-Diarylation of α,α-Disubstituted 3-Thiophenemethanols via Cleavage of C-H and C-C Bonds2006

    • 著者名/発表者名
      Nakano, M., Satoh, T., Miura, M.
    • 雑誌名

      The Journal of Organic Chemistry 71

      ページ: 8309-8311

  • [雑誌論文] Catalytic Aryl-Aryl Coupling via Cleavage of C-H or C-C Bond2006

    • 著者名/発表者名
      Satoh, T., Miura, M.
    • 雑誌名

      有機合成化学協会誌 64

      ページ: 1199-1207

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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