• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

バッキーボウルの自在構築

研究課題

研究課題/領域番号 18037070
研究機関分子科学研究所

研究代表者

櫻井 英博  分子科学研究所, 分子スケールナノサイエンスセンター, 助教授 (00262147)

キーワードバッキーボウル / フラーレン / カーボンナノチューブ / キラリティ / パラジウム触媒 / ナノクラスター
研究概要

バッキーボウルは、単なるフラーレンのモデル分子としての興味だけでなく、溶液状態でボウル反転を引き起こす動的挙動や、固体状態でカラム状積層構造を形成するなど、ボウル構造に立脚した独特の特性を有している。またボウル自体にキラリティを有する化合物も考えられ、これらはキラル型カーボンナノチューブのキャップ構造のモデルや出発物質として期待される。しかしながら現段階では、バッキーボウルを自在に設計通りに合成できる一般的な経路が確立されていないため、極めて限定的にしか研究が行われていないのが実情である。本課題では、申請者がこれまで提唱してきたバッキーボウル合成戦略を、さらに一般的なより汎用的な手法にすることを最終目標にした研究を展開した。特に今年度はキラルバッキーボウルの不斉合成を中心に研究を進めた結果、重要な中間体であるノルボルネン骨格の3量化体合成における新たな反応を開発することが出来た。すなわち、ホモキラルなハロゲン化ノルボルネン誘導体に対して、高分散高密度のパラジウムナノクラスターが生成する条件で反応を行うと、位置選択的立体選択的環化3量化反応が進行し、目的とする生成物のみを高収率で得ることに成功した。本反応は他のパラジウム錯体触媒や粒子サイズの大きな低分散パラジウムクラスター条件においては進行しない。本反応で得られたノルボルネン3量化体はエナンチオマー過剰率はほぼ100%であり、今後の検討により、ホモキラルなバッキーボウルへ誘導できることが期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Synthesis of an Enantiopure syn-Benzocyclotrimer through Regio-Selective Cyclotrimerization of a Halonorbornene Derivative under the Palladium Nanocluster Conditions2007

    • 著者名/発表者名
      S.Higashibayashi, H.Sakurai
    • 雑誌名

      Chem. Lett 36

      ページ: 18-19

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi