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2006 年度 実績報告書

細胞間シグナル伝達に応答するGTPase分子スイッチ機構解析ツールの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18038033
研究機関神戸大学

研究代表者

竹内 俊文  神戸大学, 自然科学研究科, 教授 (70179612)

研究分担者 新森 英之  神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (40311740)
キーワードピレン / タンパク質 / 蛍光プローブ / 分子認識 / ウシ血清アルブミン / 低分子量GTP結合タンパク質
研究概要

様々な生体反応やシグナル伝達を制御し、生命を維持しているタンパク質の検出・可視化に関する研究は近年重要な課題である。そこで、本研究では新規なピレン誘導体を蛍光プローブとしたタンパク質の選択的な検出を検討した。今回用いたピレン誘導体として、水中で高い量子収率を示すアルキニルピレンに水溶性エチレングリコール鎖を導入した化合物を合成した。実際に蛍光スペクトルを測定した結果、400nm付近にモノマー発光由来の発光帯と520nm付近にエキシマー発光由来の発光帯が現れた。ピレン誘導体の特徴的な光化学特性にはエキシマー構造をとることによる長波長領域での発光現象があり、水溶性アルキニルピレン誘導体においてこの挙動が実証できた。そこで、血漿タンパク質の一種であるウシ血清アルブミン(BSA)とアルキニルピレン誘導体との相互作用を蛍光分光法によって検討した。その結果、アルキニルピレン誘導体の蛍光スペクトルにおいてBSAの添加に伴いモノマー発光とエキシマー発光の強度比の明らかな変化が観測された。これはアルキニルピレン誘導体がBSAに結合したことを意味する。また、分子間相互作用に関する構造情報を得るために円偏光二色性(CD)スペクトルを測定したところCD活性であったことから、BSAとの相互作用によるアルキニルピレン誘導体の不斉誘導が確認された。さらに、様々なタンパク質で同様な検討を行った結果、アルキニルピレン誘導体のスペクトル変化にはタンパク質選択性があることを実証した。シグナル伝達に関与する低分子量GTP結合タンパク質を添加した際においても蛍光スペクトル変化が観測された。以上ことより、アルキニルピレン誘導体はタンパク質と相互作用が可能であり、これを蛍光プローブとして用いることはタンパク質の選択的可視化に有効であることが立証された。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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