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2006 年度 実績報告書

アセチレンケイ素類縁体の重合による無機π共役高分子の構築

研究課題

研究課題/領域番号 18039004
研究機関筑波大学

研究代表者

関口 章  筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 教授 (90143164)

キーワードケイ素-ケイ素三重結合 / ジシリン / 重合反応 / 環化付加 / 共役高分子
研究概要

ケイ素-ケイ素三重結合化合物ジシリンの単独重合によるケイ素π共役ポリマー(ポリジシリン)またはアセチレン類との共重合によるハイブリッドπ共役ポリマーの合成を目指す上で、ジシリンの基本的な反応性を理解することは重要である。本研究では、我々が構造解析に成功している安定で単離可能なケイ素-ケイ素三重結合化合物ジシリンと炭素-炭素多重結合化合物(オレフィン類、アルキン類)との反応性について検討した。
ジシリンはオレフィン類と無触媒で反応し、ケイ素-ケイ素三重結合への[2+2]環化付加により、ケイ素-ケイ素二重結合を環内に含むジシラシクロブテン誘導体を与えることが明らかになった。また、cis-及びtrans-2-ブテンとの反応で、オレフィンの幾何構造を保持したジシラシクロブテン誘導体が得られたことから、立体特異的に進行することも分かった。理論計算を含めて考察した結果、トランス折れ曲がり構造を持つケイ素-ケイ素三重結合の面内にある非対称最低非占有軌道(LUMO)とオレフィンの最高占有軌道(HOMO)の相互作用により[1+2]付加が起こり、環外に二価ケイ素(シリレン)を持つシラシクロプロパン中間体が生成し、次いで環拡大することによりジシラシクロブテン環が形成されることが明らかになった。
一方、アルキン類とは、ジシリン1分子、アルキン2分子の[2+2+2]環化付加により1,2-ジシラベンゼンが生成することが明らかとなった。フェニルアセチレンとの反応で得られた1,2-ジシラベンゼン誘導体のNMRデータ及びX線構造解析で決定した分子構造から、1,2-ジシラベンゼンが十分な芳香族性を持つことも示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] The Chemistry of Disilyne with a Genuine Si-Si Triple Bond : Synthesis, Structure, and Reactivity2006

    • 著者名/発表者名
      Akira Sekiguchi
    • 雑誌名

      Bulletin of the Chemical Society of Japan 79・6

      ページ: 825-832

  • [雑誌論文] A Solid-State ^<29>Si NMR Study of RSiSiR - A Tool for Analyzing the Nature of the Si-Si Bond2006

    • 著者名/発表者名
      Vivtoria Kravchenko
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society 128・45

      ページ: 14472-14473

  • [雑誌論文] (^tBu_2MeSi)_2Sn=Sn(SiMe^tBu_2)_2 : A Distannene with a >Sn=Sn< Double Bond That in Stable Both in the Solid State and in Solution2006

    • 著者名/発表者名
      Vladimir Ya.Lee
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society 128・35

      ページ: 11643-11651

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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