我々が独自に開発したπ共役デンドリマーを分子カプセルとして、原子数の厳密に制御された金属錯体の超階層構造の構築を目指した。 幾何学的に密度勾配をもつ樹状構造体(デンドリマー)には分子内電子勾配が存在すると予想し、従来の直鎖状高分子とは全く異なる幾何構造で、単一の分子量の球状剛体の新規π共役デンドリマーへ展開した。金属集積部位としてアゾメチン(イミン)を有する独自のπ共役デンドリマーの合成に成功した。興味あることに第1世代→2→3→第4世代と中心核の世代の金属配位が完全に終わらないとそれより外側の世代での錯形成が始まらないという、他に類例のない金属イオンの多段階放射状錯形成を世界で初めて発見した。すなわち、超分子中に金属を数と位置を決めて精密に配置できることに成った。この原理を応用して4種類の金属塩を層毎に精密に配置した階層構造の構築に成功した。
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