研究概要 |
本研究では多段位相変調と適切な分散制御を組み合わせることで,電気的に周数変換量が精密に制御可能な新しいタイプの全光周波数(波長)変換器を実現することを目的としていた.提案の手法は,変調方式を問わず,情報を保持した状態で光キャリアの周波数を変換させることを可能とする.周波数変換量は,位相変調周波数の整数倍となるため,変調周波数の精度での光周波数変換が可能となる. 提案の新しい周波数変換の原理を実証するために,本年度は以下のことを達成した. (1)デバイスの設計・製作 実験では電気光学結晶の周期分極反転による擬似速度整合型位相変調器を作成し,3つ直列で用いる必要があった.マルチパルス法を導入することで分極反転システムの改良を図り,分極反転境界面での不要な散乱による光損失の低減を達成した. (2)実験系の構築 原理実証のために,3つのバルク型位相変調器を使用する実験系を構築した,チャープ圧縮パルス生成のためには4f系のパルスシェーパーを用い,分散はレンズにより与えた.生成したパルス列をストリークカメラにより確認した. (3)ドップラーシフトの確認 現有備品であるマグネトロンを変調電源として使用し,16GHzの変調周波数のもと,実験を行った.実験では情報信号は載せずに,可変光周波数シフト/変換の確認を行った.実験の結果,ドップラーシフトによる,変調スペクトル変化を確認した.
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