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2006 年度 実績報告書

大型分子コンダクタンスでの非断熱相互作用と電子相関の第一原理計算

研究課題

研究課題/領域番号 18041004
研究機関東京大学

研究代表者

中村 恒夫  東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (30345095)

キーワード分子 / 電気伝導 / 非平衡グリーン関数 / ナノワイヤー
研究概要

Keldysh形式をもとにして、非平衡グリーン関数法と密度汎関数法を組み合わせた、分子軌道展開によるナノワイヤー、単一分子、有機界面などの電気伝導を第一原理計算で解く計算手法の開発と実装を行った。具体的手法として、埋め込みポテンシャル法、truncated MO空間の導入、電極サイズに対するオーダーNな方法による自己エネルギー計算を組み込み、低被覆率、大型分子ワイヤーへの応用に適した、高速かつ大規模計算に適した手法と計算プログラムを得ることができた。さらに仔ヒーレント電流だけでなく、電子-フォノン相互作用によるデコヒーレンスな効果も取り入れlowest order展開による非弾性電流の定式化も行った。これらの新しい計算手法の導入により、我々が行ったベンチマーク計算では、各主要ステップにおいて計算コストは4〜16倍、またSCF部分に対しては全過程がオーダーNの計算コストとなり、大型分子コンダクタンスへの適用がみこまれる。
具体的計算として、ベンゼンジチオールのAu(111)表面電極を取り上げ、弾性電流の計算を行い先行研究の理論値に対応した計算結果を得た。また、印加電圧にともなう分子分極や表面でのスクリーニングについての解析も行い、電流-電圧特性曲線との関係を明らかにした。
また、表面電極サイズを3×3、4×4と徐々に大きくしていきながら、低被覆率の問題についても詳細な計算効率の解析を行い、結果、明示的行列サイズはどの状況でも直接計算の約半分、SCF空間のサイズは被覆率に対して高々0(N)程度で、直接計算に比べると1/30以下となり結果SCFの収束性も加速されるなど、本研究の成果として十分満足のいく結果がえられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] An efficient molecular orbital approach for self-consistent calculations of molecular junctions2006

    • 著者名/発表者名
      H.Nakamura, K.Yamashita
    • 雑誌名

      Journal of Chemical Physics 125

      ページ: 194106

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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