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2006 年度 実績報告書

ハイペロン生成過程の動的記述に基づくバリオン間相互作用の決定

研究課題

研究課題/領域番号 18042004
研究機関九州大学

研究代表者

緒方 一介  九州大学, 大学院理学研究院, 助手 (50346764)

キーワードストレンジネス / 原子核反応 / 有効相互作用 / 多段階過程 / 包括的過程
研究概要

ストレンジネス-2を持つハイペロンΞ^-を生成する包括的反応過程、^<12>C(K^-,K^+x)の理論解析を行い、核子-Ξ間相互作用の情報の抽出を試みた。この反応は、これまでに古典的なシミュレーションや簡便な反応模型によつて解析されてきたが、核子-Ξ間相互作用についての結論は下されておらず、また、反応模型そのものの正当性について十分な考察が成されていない状況にある。
そこで本研究では、陽子が入射する包括的反応過程の断面積を定量的に再現する半古典歪曲波模型を用いてこの反応を解析し、従来の解析で用いられていた近似の正当性を検証した。その結果、入射・放出粒子の波動関数を半古典的に取り扱うことは、非常に良い近似であることがわかった。また、核内における2粒子衝突(素過程)を、自由空間におけるそれとして取り扱うことは、今回対象としている素過程、p+K^-→Ξ^-+K^+の性質から、正当化できることも確認された。ただしこのことは、ハイペロン生成過程について普遍的に成り立つわけではない点に留意する必要がある。
本研究によって得られた新たな知見として、ハイペロン生成断面積は、K+の放出角度に強く依存するという性質が挙げられる。このことは、将来のJ-PARC(大強度陽子加速器計画)におけるハイペロン生成実験を計画する際に重要であると考えられる。
また、多段階過程についても数値計算を行い、予備的な結果を得た。結果の分析から、多段階過程の寄与は、1段階過程と比べて有意に小さいが、放出角度や移行エネルギーに応じて両者の比は大きく変化するということが明らかになった。従って、様々な実験条件で、多段階過程の寄与を定量的に予言しておくことは極めて重要であると考えられる。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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