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2006 年度 実績報告書

イオン液体及び水から成るミクロ界面を利用する新しいバイオ高分子材料の創製

研究課題

研究課題/領域番号 18045028
研究機関九州大学

研究代表者

森川 全章  九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (10363384)

研究分担者 君塚 信夫  九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (90186304)
キーワードイオン液体 / セルロース / イオノゲル / たんぱく質 / マイクロカプセル
研究概要

本年度は,当初の研究計画に基づいて,セルロースによりイオン液体をゲル化し,このイオノゲルを延伸することにより高配向性セルロースフィルムの作製を試みた.
ハロゲンを対アニオンとするイミダゾリウム系のイオン液体を用い,セルロースを加熱溶解した.これを温度・湿度の制御された環境下で静置することにより,イオン液体をゲル化させた.1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムクロリド(bmim Cl)を用いた場合,最も強固なイオノゲルが得られた.このイオノゲルを一軸延伸したところ,すぐに断裂してしまい,セルロース鎖を配向させることはできなかった.そこで,既報に従って,セルロースのハイドロゲルを作製し,bmim Clと溶媒交換することにより,セルロースのイオノゲルを作製した.これを一軸延伸したところ,約2倍まで延伸可能なことがわかった.また,ハイドロゲルに比べて,イオノゲルは柔軟であった.水はセルロースの貧溶媒であるが,イオン液体は良溶媒として振舞うため,ハイドロゲルを延伸するよりもイオノゲルを延伸する方が,セルロース鎖を高度に配向できるものと期待される.
また,一方で,疎水性イオン液体中にマイクロサイズの水滴を導入し,イオン液体/水界面を利用して,たんぱく質マイクロカプセルの作製を行い,水中への一段階抽出にっいて検討した.bmin TFSI中に牛血清アルブミン(BSA)の水溶液を加えると,BSAがイオン液体/水界面に吸着し,安定なマイクロ水滴(エマルション)が形成された.グルタルアルデヒドによりBSAを架橋した後,エタノールアミン水溶液を加えると,BSAマイクロカプセルを一段階で水中に抽出できることがわかった.このことにより,有機溶剤を使用しないクリーンなプロセスによって,たんぱく質マイクロカプセルを作製・回収でき,今後,ドラッグデリバリーをはじめとする様々な分野への応用が期待される.

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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